関西電力の節電要請が19日から始まり、「節電の冬」が本番を迎えた。関電同様、原発依存度の高い九州電力も26日から要請を始める予定で、原発再稼働を見通せない中、電力不足への不安を抱えた状態が続く。電力需給の逼迫(ひっぱく)は東日本にも広がっており、東日本大震災の被災地を抱える東北電力は、7月の新潟・福島豪雨で停止した水力発電所17カ所の復旧の遅れで電力不足が深刻化。冷え込みの厳しい日には東京電力からの緊急融通でなんとか電力を確保するなど綱渡りの供給が続いている。【立山清也】
「どうしても節電をお願いせざるを得ない状況だ」(八木誠関電社長)。関電、九電とも原発依存度が4割超と高く、それぞれ昨年同期比10%以上、5%以上の節電を要請する。関電では全原発が止まる2月には、供給予備率はマイナス8.0%と今冬最大の不足となり、九電も12月末に稼働原発がゼロとなり来年1月の予備率はマイナス2.2%に落ち込む見通し。両社とも他社からの電力融通が頼みの綱だが、電力業界には「西日本の各社で協力するしかない」との考えがある一方、管内の需給逼迫懸念から「(融通は)あらかじめ約束できない」(久和進・北陸電力社長)との声も聞かれる。
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