【対談】広瀬隆×明石昇二郎「原発事故がヒドくなったのはコイツのせいだ」via 週プレNEWS

[2011年07月26日]

原発事故は人災。事故を起こした者、被害を大きくした者を刑事告発した広瀬氏(左)明石氏(右)。

福島の被災者は不安な日々を過ごし、東北と関東は放射能に侵された。こうなったのは誰のせいなのか――。作家の広瀬隆氏とルポライターの明石昇二郎氏が東電幹部や御用学者たちの刑事告発に踏み切った。その“容疑者”を実名で糾弾する!

■福島原発事故が「刑事事件」である理由

「原発さえなければ」との遺書を残し、自ら命を絶った相馬市の酪農家がいた。南相馬市に暮らす93歳のお婆ちゃんは「私はお墓にひなんします」と書 き置きして自殺した。入院中だった病院からの避難を強(し)いられ、避難中や避難直後に死亡した人も多数発生している。彼らは皆、東日本大震災が「原発震 災」とならずに済めば、そもそも死ぬ理由などなかった人たちだ。

東京電力福島第一原発事故では、とかく損害賠償―すなわち民事事件として―の行方ばかりに注目が集まるが、同事故には「刑事事件」としての側面もあることを見逃してはならない。

7月8日、筆者(明石)は作家の広瀬隆さんとともに、東電の勝俣恒久会長らを東京地方検察庁特捜部に刑事告発した。その告発を間近に控えた7月5日、広瀬さんと告発対象者らの実名を挙げながら、責任者たちの「罪」について語り合った。

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明石 責任の所在をより明確にするため、告発状は2通作成しました。まずは、放射能汚染事故を引き起こした責任そのものを問うもので、罪状は刑法第211条の業務上過失致死傷罪です。これには東電の勝俣会長や、班目春樹(原子力安全委員会委員長)をはじめとした責任者らを被告発人(=刑事事件の容疑者とすべき者)に据えてあります。

そしてもう一通が、放射能汚染が広範囲に及んでいる事実を早くから知りながら、子供たちへの防御策を積極的に取らなかったばかりか逆に放置した「放 射線専門家」らの責任を問うものです。せっかく原発の近隣自治体にはヨウ素剤が配備されていたのに、放射線専門家たちは「安全」「大丈夫」と叫ぶだけで、 住民にヨウ素剤を服用させなかった。「レベル7」の大事故でもヨウ素剤が必要ないなら、必要になる時などないことになります。

続きは【対談】広瀬隆×明石昇二郎「原発事故がヒドくなったのはコイツのせいだ」

◇ 関連情報:

広瀬 隆・明石昇二郎 共著 『原発の闇を暴く』(東京:集英社新書、2011)

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