◆基礎的なこと
・被災地では、全ての人がたいへんな状態におかれるなかで、介助や補助が必要な人や呼吸器をつけている人等は、優先順位が低くなりがちです。そのなかでも特に女性は、生きる優先順位を自分でも低めがちです。通常の社会でも、人工呼吸器の装着が必要になった場合、女性のほうが男性より呼吸器をつけて生きることを選ぶ人の割合が低いというデータがあります。そうした状況があるという課題を念頭において下さい。
・情報保障やコミュニケーションについて書いている基礎的なことは、障害者一般について必要なことですが、なかでも障害のある女性は、ふだんから情報が届きにくくより声をあげにくい、ニーズを出しにくい立場におかれていることを、同時に念頭において下さい。
・障害がある人は、生きにくさを抱えながらも、自分なりに暮らしている、地域に住む隣人です。「かわいそう」な人や、自分では何も判断ができない人ではありません。その人の年齢にふさわしい態度で接して下さい。
・障害がある被災者のなかには、情報の不足等の理由で、危険を察知しにくく、危険に対して危険と理解・判断しにくい人たちがいます。こうした人たちは、危険に対して適切な行動が取りにくい状況に置かれます。
・外からみても分からない障害もあります。不思議と思われる行動をしている人がいたら、遠巻きにして心配するのではなく、正面から向き合って「困ったことはないですか」等、話しかけて下さい。そして、その人の希望とペースに合わせた手助けをして下さい。
・「障害についての具体的なこと」と、いちおう、障害別に書いていますが、同じ障害であっても一人ひとりは別々の個人です。その人の個性(ライフスタイルや性格、価値観等)や障害の状況、その時の体調等によって、必要な支援は一様ではありません。そのことを十分に念頭において下さい。
◆障害についての具体的なこと
① 肢体不自由のある人
*移動手段を車いすにしている人たちも多く移動に制約が生じることを理解すること
*電気が止まった場合、エレベーターが止まったり、電動車いすの充電に問題が生じたり、人工呼吸器に問題が生じたりするため、それらを必要としていない人以上に生活に大きな制約を受ける。そのため、停電の影響が大きく、不安感も大きい
続きは『[暫定版]障害がある被災者について知っておいてもらいたいこと』から。