放射能規制値、科学では決まらない via 日経ビジネスonline

食品規制値が曖昧な理由

  • 日経ビジネス編集部 山根 小雪

2011年9月14日(水)

ただでさえ分かりにくい放射能規制値に、また1つ、わかりにくい規制値が増えそうだ。内閣府の食品安全委員会が8月7日に提案した食品の新規制値だ。同委員会は、福島第1原子力発電所事故後に、急ごしらえ暫定規制値を策定。一息ついたところで、平常時に使える規制値を決めようと数カ月を費やして議論を重ねてきた。

ところが、新規制値案は「食品からの被曝は生涯で100ミリシーベルト以下なら発ガン性は見いだせない」というもの。「これが規制値?」「生涯っ て何年間?」「食品ごとの規制値はどこへ?(暫定規制値では飲料水や野菜など、食品の分類ごとに規制値がある)」という疑問が湧き上がる。

実際、8月末まで募集していたパブリックコメントには、膨大な意見が寄せられた。意見集約に時間がかかり、9月上旬に予定していた食品安全委員会の開催はずれ込みそうだという。

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