1. 原子力に関する宗教者国際会議は、2012年12月4日から7日まで福島県いわき市および会津若松市において、日本、沖縄、韓国、フィリピン、タイ、ドイツ、香港、インドネシア、スイス、カナダ、米国から87人が参加して開催されました。[…]
2. 2011年に沖縄で開催された第三回9条アジア宗教者会議を覚えながら、私たちは今ここでオキナワとフクシマの人びとが直面している苦しみの共通点、とくに差別と人権侵害の現実を見たのです。[…]
3. 私たちの体験と学びによって、原子力は決して安全ではないこと、放射線による被曝には安全基準は存在しないこと、原子力と「いのち」平和は、まったく互換性のないことを確認します。核兵器と原子力は、実にひとつのコインの両側であって、政治、軍事、経済の複合体が、自分たちの利益のために創りあげたものです。原子力は、人間のいのちと環境にこの技術が与える悪影響を無視し、当初から戦争を目的として、政治、軍隊、企業によって開発されたのです。原子力技術を開発しながら、核兵器を表面的に否定する国ぐには、自然とその力を支配できると信じる傲慢を露呈しています。多くの国が、核兵器の製造と備蓄はもちろんのこと、発電施設としての原発の建設のために、巨額な費用をつぎ込み続けました。[…]
4. 私たちは、真摯にいのちを育み、どこまでもいのちを守ること、さらに原子力と核問題について真実を語り、誤解を招く「安全神話」を明らかにすることを、信仰者の責任として引き受けます。この責任を原発事故によって苦しんでいる方がたの声を注意深く丁寧に聴きとることによって果たします。[…]
5. 上記に基づき、私たちは決意します。
ü 私たちの信仰共同体において、原子力の民間および軍事利用についての真剣な討議を始め、個人の生活様式を変えることを含む、信仰共同体としての行動計画を立ち上げること。
ü 核兵器と原子力技術の関連性についての真実を広く知らせ、原子力についての誤った情報と情報隠しについて問いかけ、公表すること。
ü 原子力の誤った利用について直接的非暴力行動を始めること。
ü 原子力の廃止を実現するために、すでに存在している信仰共同体と組織、また真実と修復的正義に取り組んでいる良心的科学者とその他の組織との協働ネットワークを築くこと。このようなネットワークは宗教や国家の壁を越えたものである
ü 福島の人びとおよび原子力のもたらした被害によって苦しんでいる他の共同体とともに祈り、その声を増幅して彼らの体験を世界に告げること。
ü 2013年世界キリスト教協議会の総会にこの宣言を届け、原子力についての分科会を
実現させること。ü 原子力に頼る社会を、真に持続可能、クリーンで安全なエネルギーに基盤を置く社会へと変革するために働くこと。
全文 (英文を含む)はNO!原子力 福島からの信仰宣言 2012