Daily Archives: 2020/08/10

「黒い雨」訴訟、厚労省が控訴検討 「新たな知見ない」 広島市・県は救済要望 via 中国新聞

原爆の放射性物質を含んだ「黒い雨」に国の援護対象区域外で遭い、健康被害を訴える広島県内の原告全84人に被爆者健康手帳を交付するよう広島市と県へ命じた7月29日の広島地裁判決で、厚生労働省が市と県に控訴を求める方向で検討していることが7日、分かった。ただ、市と県は政府の「政治決断」による控訴の見送りと被害者の救済を強く求めており、控訴期限の12日に向けて大詰めの駆け引きが続いている。  複数の関係者によると、厚労省は広島地裁の判決後、原告全員に被爆者健康手帳を交付するのは困難と説明した。長崎原爆で国の指定地域外にいた「被爆体験者」を被爆者と認めなかった最高裁の2017年12月と19年11月の2度の判断や、健康被害を黒い雨の影響とする新たな科学的知見がない点を理由に挙げたという。  このため厚労省は、原告全員について控訴する検討を進めており、市と県へ控訴を求める方向だ。被爆者健康手帳の交付は国からの法定受託事務として市と県が実務を担っており、今回の裁判では市と県が被告となっているためだ。  一方で市と県は、援護対象区域の拡大を長年にわたって国に求めてきた経緯がある。松井一実市長は6日、国が控訴を求めてきた場合に市の判断で控訴を見送る可能性について「被害者の救済が最終目的。区域の拡大が見通せるかどうか見極めたい」と語った。  この状況を踏まえて、厚労省が控訴を求める際、援護対象区域の見直しが必要かどうかを検証する方針を合わせて打ち出し、市と県に譲歩を促すとの観測が出ている。安倍晋三首相(山口4区)が控訴断念を政治決断する余地が残っているとの見方もある。市と県は政府の方針を見極めた上で、最終的に控訴するかどうかを判断する見込みだ。  現行の援護対象区域は、被爆直後の広島管区気象台(現広島地方気象台)の調査を基に、国が1976年に指定した。市や県が2010年、黒い雨体験者たちのアンケートに基づいて拡大するよう国に求めたが、厚労省の有識者検討会は12年、区域拡大に否定的な報告書をまとめ、当時の民主党政権が拡大を見送った。 原文

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3年前「どこの国の総理ですか」 安倍首相に80歳被爆者「私たちには後がない」<長崎原爆の日> via東京新聞

 安倍晋三首相は9日、長崎市平和祈念式典でのあいさつや被爆者代表との面会で、核兵器禁止条約に批判的な姿勢を取り続けた。3年前の同じ面会の場で、一人の男性被爆者が「あなたはどこの国の総理ですか」と、核禁条約参加を直接求めた。今年の面会にも出席したが「今回も同じことの繰り返しだった。私たちにはもう後がないんだ」と、参加を拒み続ける首相の姿勢に憤りを隠さない。(柚木まり)  男性は、長崎県平和運動センター被爆者連絡協議会の川野浩一議長(80)。  2017年8月9日の首相と被爆者代表の面会で、核禁条約への署名などを求める要望書を手渡す際、首相に「あなたはどこの国の総理ですか。今こそ、あなたが世界の核兵器廃絶の先頭に立つべきです」と、強い口調で迫った。例年なら書面を渡すだけの役割だが、前月に国連で採択された核禁条約に、唯一の戦争被爆国である日本が賛同しないことが納得できなかったからだ。 「どうして私たちの気持ちが分からないのか。何とかひと言言わなければと怒りを禁じ得なかった」。川野さんは面会当日の朝、「あなたはどこの国の総理ですか」などの言葉をメモし、要望の際に手にしていた。要望書を手渡そうとしたが、その手を引っ込めて、思いを首相にぶつけた。  5歳の時、爆心地から3.1キロの自宅前で被爆した川野さん。5年前に食道がんを発症し、原爆症に認定された。ともに活動を続ける協議会のメンバーも、高齢化で施設に入所したり亡くなったりして、これまでのような活動ができなくなりつつある。  核禁条約への日本の参加を願って迎えた被爆75年の「原爆の日」。首相に会える1年に一度の機会に、少しでも被爆者の思いを分かってもらいたい。そんな気持ちを抱き、今回も被爆者代表の一人として出席した。被爆者側は「長崎を最後の被爆地に」と条約批准を改めて求めたが、首相はまたも賛意を示さなかった。面会は首相の日程を理由に予定時間の30分で終わり、質問もできなかった。  川野さんはつぶやいた。「首相から、ちっとも中身のある答えが返ってこない。80歳を超え、ぎりぎりだと思って活動しているのに、挫折感ばかりが大きくなっている」 原文

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