◆作家・江上 剛◆
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◆行き場ない廃棄物
東電の担当者は「右側のエリア、非常に多くの(汚染水を入れる)タンク群が見えてきました。大きさの違いはありますが、大体1基1000トン級のタンクです。970基ほど存在します」と説明してくれた。
ブルーの横置きタンクがある。これらは一般の防火水槽などとして使っているタンクだ。事故直後に汚染水をためるために、全国各地からかき集められたもの。
しかし、100トンと容量が小さく、横置きで場所を取ることから現在使われていない。空の状態なのだが、放射性廃棄物ということで撤去できない。構内には、このような空タンクが370基ほどあるという。
手袋や作業服などの可燃性の放射性廃棄物は、焼却設備で焼却し、容積を減らす減量化措置を行い、その灰を全て福島第1原発内で保管している。
その他、使用されていない空タンクなど、多くの廃棄物が発生するが、原発内で発生した廃棄物は、原発内で保管することしか決まっていない。最終的な行き先のない多くの放射性廃棄物が、原発内で保管され続けている。
大型の廃棄物貯蔵庫を建設する計画だが、果たしてそれでよいのか。いずれ、汚染水と同じように最終処理をどうするかという問題に直面することになるだろう。
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「1号機は、クリーム色の鉄鋼が水素爆発によりゆがんでいます。また、右側にうずたかく積もっているのががれきです。(中略)このがれきを撤去するに当たり、1点注意ポイントがありまして、そのままの状態で撤去すると、放射性のダスト、ちりを飛散させてしまいます。地域の皆さんにご迷惑をおかけしてしまうので、月に1回、がれきの周辺に飛散防止剤をまきます。石綿の飛散防止剤と全く同じものです。(中略)ダスト、がれきの周辺にはダストモニターといって、その密度を検知する装置が設置してあります。規定値以上になりますと、モニターが作動し、スプリンクラーが水をまいて、飛散させないシステムを構築しました」
放射性ダストは、風に乗ると、非常に広範囲に飛散してしまう。そのため、作業は非常に厳格に、慎重に進めなければならない。単純に、がれきを撤去すればよい、というわけではない。
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