Tag Archives: 廃炉作業

福島第一原発の放射性廃棄物 高まる漏えいリスク 保管設備の劣化進む via 東京新聞

事故から10年が過ぎた福島第一原発(福島県双葉町、大熊町)で、放射性廃棄物を保管する設備の劣化が進み、東京電力は漏えいリスクに直面している。膨大な量と高い放射線量が対応を難しくさせており、ゴールの見えない廃炉工程では核燃料取り出し以外にも高いハードルがいくつもある。(小野沢健太) ◆汚泥容器31基が寿命超え  「速やかに移し替えるべきだ」。6月7日、福島第一の事故収束作業を議論する原子力規制委員会の検討会で、伴信彦委員が東電に迫った。汚染水の浄化処理で発生する廃棄物を保管する容器31基が既に寿命を超えていると、規制委の試算を突き付けた。 事故で溶け落ちた核燃料(デブリ)が残る原子炉建屋に雨や地下水が流れ込んで発生する汚染水は、多核種除去設備(ALPS)で大半の放射性物質を除去する。 その際に出る高濃度の放射性物質を含む汚泥を、ステンレスで補強したHICというポリエチレン製容器(直径1・5メートル、高さ1・8メートル、厚さ約1センチ)に入れて保管している。その数は約3300基に上る。 東電は、容器底から20センチ上の汚泥の密度から放射線量を試算し、容器が寿命を迎えるのは2025年以降と見込んでいた。だが、規制委は底にたまった汚泥は密度が濃く、放射線量も高いため劣化は速く進み、今後2年間でさらに56基が寿命を迎えると試算した。東電は対応見直しを迫られ、8月から急ピッチで新しい容器へ移し替える。 ◆野ざらしコンテナ 中身は不明  がれきや使用済み防護服などの放射性廃棄物を入れた金属製コンテナも劣化が進む。約8万5000基のコンテナが野ざらしになっており、3月には1基の底部が腐食で穴が開いていたことが判明。高線量のゲル状の中身が漏れ、放射性物質が海へ流れ出ていた。 コンテナのうち約4000基は、具体的な中身が分かっていない。東電は事故当初、廃棄物の管理に手が回らず、17年11月までは中身の記録方法も不十分だった。今年7~10月にコンテナを開けて確認するが、線量が高い廃棄物が多く、作業員の被ばくが避けられない。 東電は屋外保管する廃棄物を焼却したり破砕したりして量を減らし、28年度には建物内に移す計画。しかし、肝心の焼却設備は試運転で不具合が起き、今年3月の稼働開始を1年先送りに。ごみの処分でさえ計画通りには進んでいない。 ◆地震リスクも深刻  2月から続く地震もリスクを高めている。事故当初に汚染水を保管するために急造したボルト締め型タンク6基で、5月までに水漏れが相次いだ。地震では、タンク外周に取り付けられた足場やふたが落下した。 鋼板をボルトでつなぎ合わせたタンクは耐久性に問題があり、ほとんどは溶接型タンクに置き換えられた。 ボルト締め型タンク約30基には5、6号機の建屋地下にたまる放射能濃度が低い水1・6万トンを保管し、浄化処理して敷地内に散水している。 このタンクのつなぎ目の止水材は耐用年数が5年ほどとされるが、いずれも建設から10年近くたっている。作業員らは1日4回水漏れがないか確認している。 […] 全文

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福島第1原発3号機の燃料回収また中断 機器異常や損傷トラブル続出 「20年度完了」に黄信号 via 河北新報

[…] 東電は11月18日、63回目の燃料取り出しに使用するクレーンが停止し、作業を中断したと発表した。燃料を装填(そうてん)する容器をプールから引き上げる途中、突然動かなくなった。 調査の結果、クレーンのモーター周辺の異常を確認。原因の特定には至らず、関係する周辺部位をそっくり交換することを決めた。取り出し再開のめどは立っておらず、20年度内の完了に影響する可能性があるという。 プール燃料の搬出は廃炉の主要工程の一つで、原発事故で炉心溶融を起こした1~3号機で特に難度が高い。先行する3号機では19年4月、計画より4年以上遅れてスタート。使用済みと未使用の燃料計566体のうち434体を回収したが、トラブルは尽きない。 20年9月には取り出し機器のケーブルが近くの部材に接触して損傷し、作業を1カ月余り中断。東電は後に「操作員の監視不足だった」と原因を分析した。 懸念材料は今後も残る。事故で持ち手が変形した16体と、ラックと燃料の間にがれきが引っ掛かった1体の存在だ。11体は現在行っている試験でつり上げることができたが、残る6体は動かせていない。 東電は圧縮空気でがれきを吹き飛ばしたり、干渉箇所を切削したりする装置を数種類設計・製造し、性能試験を経て取り出しに活用する。6体の状況はそれぞれ異なり、個別に装置が必要になるという。担当者は「順調に進めば、年度内に完了する見通しは変わらない」との見方を示す。 現行計画でプール燃料の搬出開始時期は2号機で24~26年度、1号機は27~28年度を予定。既に終えた4号機を含め、31年に1~6号機での搬出を完了させる。 全文

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福島第一の溶けた核燃料、一時監視できず…作業員が誤って緊急停止ボタン via 讀賣新聞

[…] 誤操作で停止したのは、格納容器から窒素ガスを排出するファン。東電は窒素ガスに混じる放射性物質を調べ、核燃料の状態を確認しているが、ファンが止まってデータを取得できなくなった。  炉心溶融した同原発1~3号機では、核燃料が何らかの理由で再臨界し、水素が発生して爆発するのを防ぐため、窒素ガスを注入して格納容器の水素濃度を下げている。  東電によると、同日午前11時12分頃にファンが停止したが、午後2時30分に監視できる状態に戻った。 全文

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福島第1原発1、2号機 排気筒切断を完了 via 福島民友

[…] 29日は23に分けた排気筒の最後のブロックを専用装置で輪切りにし、クレーンで慎重に地面に下ろした。  排気筒は原発事故時、放射性物質を含む蒸気を外部に放出するベントの際に使用された。近接する原子炉建屋とともに、事故を象徴する構造物として残った。  排気筒の下側59メートルは耐震性に問題がないとして当面残し、優先度の高い他の工程を進める。 ◎前例なき作業 地元企業貢献  東京電力福島第1原発で29日に完了した1、2号機共通排気筒の切断は巨大構造物を遠隔操作で解体するという世界に前例を見ない試みだった。主要な廃炉作業を初めて地元企業が請け負い、担当者は「一人一人が重圧を感じた」と振り返る。  請け負ったのは、プラント建設会社エイブル(福島県大熊町)。高難度の工事を大手ゼネコンが軒並み敬遠する中、同社だけが手を挙げた。  「(第1原発廃炉は)地元のことであり、できることなら自分たちの手で成し遂げたかった」。プロジェクトを統括した岡井勇さん(52)が受注当時の心境を明かす。  作業を困難にした一因が高い放射線量だ。排気筒に近づけず、作業員は200メートル離れたバスの中から解体装置を操作した。  作業は天候や風に左右される上、装置トラブルにも度々見舞われた。2日で終わるはずだった最初の切断は実に1カ月を要した。  「なぜうまく切れないんだ」。現場責任者の佐藤哲男さん(46)は悩んだ。  ミシンのように間隔を空けて進んでは戻る独自の切断法を考案し、解体装置の歯も数種類を試した。「成功した時も徹底的に振り返った」と言う。  交代制で1日24時間取り組んだ作業は「常に闘っている感覚」(岡井さん)だった。予定より4カ月遅れとなったが、後半はペースを上げて無災害で9カ月間の工期を終えた。  「地元企業も廃炉に貢献できる」。岡井さんは手応えを口にしながら「工程はまだまだ続く。他の地元企業と一緒に進めていく先に本当の福島の復興があると思う」と述べた。 全文

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江上剛の「福島第1原発を見てきた」(下)【怒れるガバナンス】 via Jiji.com

 ◆作家・江上 剛◆ […] ◆行き場ない廃棄物  東電の担当者は「右側のエリア、非常に多くの(汚染水を入れる)タンク群が見えてきました。大きさの違いはありますが、大体1基1000トン級のタンクです。970基ほど存在します」と説明してくれた。  ブルーの横置きタンクがある。これらは一般の防火水槽などとして使っているタンクだ。事故直後に汚染水をためるために、全国各地からかき集められたもの。  しかし、100トンと容量が小さく、横置きで場所を取ることから現在使われていない。空の状態なのだが、放射性廃棄物ということで撤去できない。構内には、このような空タンクが370基ほどあるという。  手袋や作業服などの可燃性の放射性廃棄物は、焼却設備で焼却し、容積を減らす減量化措置を行い、その灰を全て福島第1原発内で保管している。  その他、使用されていない空タンクなど、多くの廃棄物が発生するが、原発内で発生した廃棄物は、原発内で保管することしか決まっていない。最終的な行き先のない多くの放射性廃棄物が、原発内で保管され続けている。  大型の廃棄物貯蔵庫を建設する計画だが、果たしてそれでよいのか。いずれ、汚染水と同じように最終処理をどうするかという問題に直面することになるだろう。 […] 「1号機は、クリーム色の鉄鋼が水素爆発によりゆがんでいます。また、右側にうずたかく積もっているのががれきです。(中略)このがれきを撤去するに当たり、1点注意ポイントがありまして、そのままの状態で撤去すると、放射性のダスト、ちりを飛散させてしまいます。地域の皆さんにご迷惑をおかけしてしまうので、月に1回、がれきの周辺に飛散防止剤をまきます。石綿の飛散防止剤と全く同じものです。(中略)ダスト、がれきの周辺にはダストモニターといって、その密度を検知する装置が設置してあります。規定値以上になりますと、モニターが作動し、スプリンクラーが水をまいて、飛散させないシステムを構築しました」 放射性ダストは、風に乗ると、非常に広範囲に飛散してしまう。そのため、作業は非常に厳格に、慎重に進めなければならない。単純に、がれきを撤去すればよい、というわけではない。 […] 全文

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田原総一朗「廃炉進まぬのに無責任に原発増設計画進める安倍政権」via Aera.dot

ジャーナリストの田原総一朗氏は、昨夏閣議決定したエネルギー基本計画を「無責任な計画」という。[…] フィンランドは原発が稼働していて、使用済みの核燃料を処理するために、オンカロという設備が設けられている。  オンカロとは、安定している地盤を約500メートル掘って、そこに使用済みの核燃料を運び込むことができる設備だ。ただし、まだ実際には使用されていない。  小泉氏はオンカロの関係者に、「オンカロに使用済みの核燃料を入れて、それが無害化するのにどのくらいかかるのか」と問うた。  すると、無害化するのに10万年、という答えが返ってきた。  それを聞いて、小泉氏は原発をなくすべきだ、と決断したのである。  ところが、日本にはそのオンカロもなく、オンカロをつくる計画も展望もないのである。  私は歴代経産相に確かめたのだが、いずれも、その点では返事に窮した。  そして、使用済み核燃料はすでに1万8千トンもたまっているのだ。それでいて、政府は原発を重要なエネルギーとして再稼働を進めている。  しかも、18年7月に政府が閣議決定したエネルギー基本計画によれば、何と30年に原発が30基ほど稼働することになっている。 たとえ、現在停止している原発をすべて再稼働させたとしても、20基程度にしかならないはずである。  ということは、原発を10基近く新設するつもりなのか。  東芝、三菱重工、日立の3社は、国内で新設の見込みがない、とあきらめて海外での建設を計画していたのである。  実は自民党の少なくない幹部たちに、原発新設の可能性はあるのか、と問うた。誰もが、そんな可能性はない、と答えた。 […]  そんなことは、東電は百もわかっているはずなのだが。 全文

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残業代支払いで違反めだつ 福島第一原発廃炉事業監督結果 福島労働局 via 労働新聞社

算定基礎から諸手当が漏れるケースなど 福島労働局は、平成29年に実施した福島第一原発の廃炉作業を行う事業者に対して実施した監督結果を公表した。労働条件関係では、ほぼ半数の事業者が何らかの違反をしていた。 336の監督実施事業者数に対して、労働基準関係法令の違反がみつかったのは129事業場だった(違反率=38.4%)。違反件数は計210件に上り、内訳をみると安全衛生関係が39件なのに対し、労働条件関係は171件と多い。 とくに割増賃金の支払いに関しての違反がめだつ。同労働局監督課は、①1日8時間を超える時間外労働に対しては適切に対応できていたものの、週40時間を超える時間外労働に対して2割5分以上で計算した残業代を支払っていなかった、②時間外割増賃金の算定に際して、諸手当を含めずに計算していた、③深夜労働に対して2割5分以上で計算した残業代を支払っていなかった――というケースが多かったと指摘する。 […]     全文

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