反対の声は「ない」 東電が青森・東通原発の稼働へ着々 via 朝日新聞

世界最悪レベルの原発事故を起こした東京電力が、電気を供給する首都圏から約630キロ離れた青森県東通(ひがしどおり)村での原発稼働を目指し、準備を本格化させている。村は反対どころか早期の着工、稼働に期待を寄せる。事故で次々と原発を失う東電が望みをかける地でもある。

東通村下北半島の太平洋側の北東部に位置し、人口約6400人。面積の大半は山林と原野で、主な産業は農業と漁業。集落が点在し、かつてはそれを結ぶ道路がなかったため、村役場は約100年間、隣のむつ市にあった。村内にようやく役場ができたのは31年前の1988年だ。

東電が稼働を目指す東通原発の敷地面積は東京ドーム約100個分の約450万平方メートル。国内原発で最も広い。南側に隣接して東北電力東通原発(約360万平方メートル)があり、1号機が2005年12月に営業運転(現在は停止中)を開始した。ともに原発10基分が可能な広さだという。

同村の原発の歴史は古く、65年に村議会が原発誘致を決議。81年に東電と東北電が各2基の建設計画を発表した。東北電は98年に工事に着手するが、東電は福島第一(6基)、福島第二(4基)、柏崎刈羽(新潟県、7基)の稼働が進み、急がなかった。着工は11年1月で、17年に営業運転開始の予定だった。だが、その2カ月後に福島第一で事故を起こし、建設が中断した。

(略)

東電は新規制基準の申請を視野に昨年8月から敷地の地質調査を開始。今年7月には地元に役員が常駐する「青森事業本部」を発足させた。人員を49人から72人に増やし、今後は増強も検討している。

11月には社員が村内の全約2300世帯を訪ね、近況を説明して回った。仕事がなく、家族が出稼ぎに行く苦しい現状など「早く頼む」という声が多かったという。逆に反対の声は「なかった」(同本部)と言い切る。

父の仕事を継ぎ、村内で居酒屋や仕出し弁当店などを営む二本柳圭さん(31)は「建設が再開すれば人が多く来てにぎやかになる」と期待を寄せる。一方、事故への不安については「再び起こさない対策を取っているというのだから、そこは信じるしかない」。(石塚広志)

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