ドイツはなぜ脱原発できたか 記録映画「モルゲン、明日」 25日から北九州で上映 via 西日本新聞

福島第1原発事故の後、2022年までに全原発を停止することを決めたドイツの各地を旅し、なぜ脱原発へ方針転換できたのか、答えを探って歩いたドキュメンタリー映画「モルゲン、明日」が北九州市で上映される。枯れ葉剤被害をテーマにした「花はどこへいった」の坂田雅子監督の作品。10月25~27日の3日間、北九州市八幡東区の東田シネマ(市環境ミュージアム)で、11月8日は北九州市小倉南区の北方シネマ(北九州市立大)でそれぞれ上映される。

ナチス独裁への反省

坂田監督は2015年から18年にかけて、ベルリンのホロコースト記念碑に立ち寄り、バーデン・ヴュルテンベルク、バイエルンの各州などを訪問。市民らの反対運動で原発計画を撤回に追い込んだヴィール▽市民ぐるみで太陽光発電に取り組み「グリーンシティー」と呼ばれるフライブルク▽チェルノブイリ原発事故(1986年)の後、市民たちが立ち上げた電力会社で知られるシェーナウ-などで、市民運動家や再生可能エネルギー発電の実践者、行政マンらに話を聞いた。

作品は、取材現場やインタビューの映像に加え、記録映像も織り込み、ナチスドイツ時代から脱原発に至るまでの歴史の歩みも振り返る。

坂田監督が話を聞いて回ってドイツ市民に感じたのは、第2次世界大戦でユダヤ人の大量虐殺を犯したファシズムに巻き込まれた歴史に対する深い反省とともに、「無条件に権威に従わず、自分で考え、自分の足元から始めようとする」精神だという。

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チェルノブイリ原発事故でドイツにも放射性物質が飛来した後は、反原発運動がさらに盛んになり、政府にエネルギー供給を任せず市民自ら再生可能エネルギー事業を手掛ける動きが広がっていく。

そして、福島第1原発事故。直後のバーデン・ヴュルテンベルク州議会の議員選で、脱原発を訴えた緑の党が躍進し、メルケル首相率いるキリスト教民主同盟など与党が惨敗。メルケル首相の脱原発宣言につながっていく。

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ドイツでは、原発が段階的に運転停止される一方、総発電量に占める再生可能エネルギーの割合は40%を超えている。

「ドイツで『なぜ脱原発をできたのか』と聞くと、ドイツの人たちは『あれだけの原発事故が起きたのに、なぜ、日本は脱原発をしないのか』と聞き返してきた。ドイツにできて、日本にできないことはない、と言いたい。九州は太陽光発電の先進地として、日本のモデルになってほしい」。坂田監督は呼び掛ける。(吉田昭一郎)

「モルゲン、明日」 10月25~27日、東田シネマ(八幡東区・市環境ミュージアム)。いずれも午前10時半、午後1時、同3時半、同6時の4回
▽11月8日、北方シネマ(小倉南区・北九州市立大北方キャンパス本館A-101)。午後6時半の上映後、坂田監督と同大学生の質疑、トークを予定。

全文はドイツはなぜ脱原発できたか 記録映画「モルゲン、明日」 25日から北九州で上映

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