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無限の安全対策は無理? 「桁違い」原発リスクどうみる via 朝日新聞

エネルギーを語ろう

東京電力福島第一原発事故をめぐり強制起訴された旧経営陣3人に対し、東京地裁は9月19日、無罪とする判決を言い渡しました。市民シンクタンク「原子力市民委員会」メンバーの筒井哲郎氏は、この判決を強く批判しています。近著「原発フェイドアウト」(緑風出版)でも、原発が抱える根本的なリスクに改めて警告を発しました。プラント技術者の筒井さんから見える原発の問題点はどこにあるのか。話を聞きました。(聞き手=小森敦司)

(略)

「無限の対策はできない」のか
 ――元プラント技術者の目からみた東電の津波対策はどうですか。

「私は原発事故の集団賠償訴訟で原告側の証人に立ったことがありますが、被告(政府・東電)側は、私は原子力工学の専門家ではないので、津波対策は分からないだろう、とアピールしていました。私に言わせれば逆です。多くの分野の専門家がかかわらないといけないプラントの問題を、もしかすると、東電の社内では、原子力工学の人々の身内だけで意思決定していたのではないでしょうか。津波対策は、もっと広い視野から検討されるべきだったのです」

「もう一つ私が驚いたのは、被告側から、経済性を無視した安全対策を行うことはできないとする、ある原子力工学の高名な学者の意見書が出されたことです。原発といえども、火力発電などとの競合で売電単価を安くしないといけない。だから無限の対策はできない、というわけです。東電の経営層にもそんな考え方があって、津波対策にお金と手間を惜しんだのかもしれません」
汚染「100年保管」を提案

 ――ところで、話題となっている汚染水の問題はどう見ていますか。

「原子力市民委員会が17年にまとめたリポートでは、海洋放出ではなく恒久的なタンクで保管するべきだと主張しています。現状、100万トン余ある汚染水を、石油備蓄に使う10万トン級のタンクを11基建設して、そこで100年以上保管しようというものです。放射性トリチウムの放射濃度は123年保管すると千分の1に減衰します。建設費用は約330億円と、凍土壁の建設費(345億円)とそう違いません。場所も7、8号機の建設予定地を使えばいいのです。海洋放出以外に道はないという『宣伝』は、事実と違います」

――政府は除染で出た汚染土について、高速道路などの公共事業で使えるようにする方針を示しています。
 「苦し紛れの方策と言わざるを得ません。原発の解体などによって発生したコンクリートや金属片などの再生利用のための従来の基準は、『1キロあたり100ベクレル以下(セシウム換算)』でしたが、今度は『同8千ベクレル以下』と、80倍も緩和するものです。それを資源の有効利用という名目で使おうというのです。汚染土は、保管先の福島県大熊、双葉両町にまたがる中間貯蔵施設から30年以内に県外に持ち出し、最終処分されることになっていますが、その行き先のメドがないので、そんなおかしな『資源化』策が出てきたのだと思います」

(略)

 「再稼働に関して、プラント技術者としてもう一つ信じられないのが、原発事故が起きた時の賠償制度です。普通の石油・化学プラントは損害保険を掛けて、事故が起きた時の周辺の被害も自らの損失もカバーできるようにしています。ところが、原子力の損害賠償制度の保険金は最大1200億円でした。実際の福島の原発事故の賠償・除染費用は12兆円を超えています。いかに過少だったか。福島の事故をめぐっては、政府は急いで賠償原資を電気代に上乗せして徴収するといった仕組みをつくりましたが、保険金額そのものは1200億円に据え置いたままです。つまり、他の原発の事故に対する備えは、今も、ほとんど『ない』のです」
原発は役割を終えた

――原発推進派の間では、核抑止力の観点から原発が必要だという意見が根強くあります。
 「原子力技術が原爆に役立つというのなら、実験が必要になるのではないですか。日本のどこで核実験をするのですか? それよりもプラント技術者として思うのは、他国と戦争になったときに最も狙われるのは原発だろうということです。原発はそれ自体、原爆相当の危険物を内包している脆弱(ぜいじゃく)なシステムです。戦争に備えるというのなら、原発の存続はありえません」

全文は無限の安全対策は無理? 「桁違い」原発リスクどうみる

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