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原発事故8年-国連の度重なる勧告を無視し続ける日本、ずさんな除染、危険地域を避難指示解除 #3.11via Yahoo!ニュース

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「原発事故から8年、避難指示解除から2年経って今も、現地はまだ安全に人が暮らせる状況にはありません」。グリーンピース・ドイツの核問題シニアスペシャリスト、ショーン・バーニー氏はそう断言する。グリーンピースは、昨年10月、福島県の浪江町と飯舘村で放射線調査を行った。その結果は、避難指示解除された地域でも、多くの場所で毎時0.23μSv(マイクロシーベルト)を超える線量が検出されたのだという。

◯避難指示解除の地域で事故前120倍の高線量

 「0.23μSvとは、日本政府が決めた除染の基準です。1日のうち8時間野外で過ごし、残り16時間を屋内で過ごすとして、年間の被曝量を一般人の国際限度基準である年間1mSv(ミリシーベルト)に抑えるというものです」「今回の我々の調査では、浪江町の東部、高瀬川周辺での地上1メートルの平均で毎時1.9μSv、最大で毎時4.8μSvの放射線を検出しました」(バーニー氏)。

 毎時4.8μSvと言えば、原発事故発生前の空間線量の約120倍に達する。日本政府の除染基準と比較しても20倍という極めて高い線量だ。

◯近隣の森林からの再汚染

 また同地域の小学校(閉鎖中)は、除染済みであるものの、「小学校前の森からは、平均で毎時1.8μSv、最大で毎時2.9μSvという線量が検出されました」(バーニー氏)。つまり、日本政府の除染基準と比して、平均で7,8倍、最大で12.6倍だ。

 バーニー氏は「小学校敷地は除染済みですが、より高い線量が残る近接する森からの再汚染が長く続く可能性があります」と指摘する。

 「汚染された山林による再汚染が深刻なことは、グリーンピースが2015年から定点観測している、飯舘村の民家の線量のデータからも明らかです。我々の調査に協力してくれている安齋徹さんの自宅やその周辺は、2014年から2015年にかけて大規模な除染が行われたものの、敷地内の最大値が2016年で毎時1.6μSv、2018年では毎時1.7μSvでした。安齋さん宅の敷地内の場所によっては、線量が下がっているところもあるものの、全体としては、近隣の山林からの再汚染のため、除染の効果は限定的だと言えます」(バーニー氏)。

 事実上、除染が難しい山林は、浪江町、飯舘村ともにその面積の7割を占める。

◯ずさんな除染作業

 会見では、元除染作業員の池田実さんも除染作業のずさんさを証言した。郵便配達員だった池田さんは退職後、福島第一原発からの電気を使っていた東京都民としての責任を感じ、除染作業に加わった。だが、除染の効果が十分でない上、作業自体が徹底したものでないことから「あまり意味はない」と言う。

 「とにかく早く作業を終わらせろ、と急かされ、草地の除染では、本来は表土も削らないといけないのでしょうが、単に草を刈っただけ。現場の作業員達と『これじゃ、除染じゃなくて除草だよね』と呆れていました。私は自分で線量計を持参していたので、測ってみると、除染前が毎時25μSvで、草を刈って1ヶ月後では、毎時20μSvでした。若干は下がっているのですけども、その程度です」(池田さん)。

 証言する池田さん グリーンピース・ジャパン提供

 高線量の現場での労働にもかかわらず、除染作業員達は、放射線防護の講習も装備も十分ではなかった。

 「講習は、3、4時間だけで、そのうち大部分は実際の作業内容についてで、放射能からどう身を守るかについてなどは具体的な話は無かったですね。与えられるのは、ただのサージカルマスクと、ゴム手袋、ヘルメットだけ。作業服は皆、私物でした。作業後、マスクと手袋はその場で捨てるんですけども、作業員達は汚れたままの服装で現場と宿舎を行き来していました」(池田さん)。

 グリーンピースの調査でも、除染作業の現場が極めて高線量であることが裏付けられた。

 「私達が帰宅困難地域である浪江町大堀地区の線量を計測している間も、除染作業員の人々が除染を行っていました。場所によっては、最大で毎時24.3μSvでした」(バーニー氏)。つまり、政府の除染基準の約105倍という高線量だ。作業現場によって線量は異なるため、一概に言えないものの、除染作業による被爆は決して軽視できないものだと言えよう。

 環境省によれば、2016年末までに除染に動員された作業員は、延べ人数で3000万人。同年末までに費やされたコスト2兆6000億円も、建前上は東京電力が支払うものの、結局は、電気料金というかたちで国民が負担することになる。また、2017年以降は、除染作業の一部に国費が投じられるようになった。グリーンピースの調査でも示された通り、除染の費用対効果が疑問視される上、作業員も被爆を強いられる。池田さんも「日本政府には、労働者の健康も考えて、危険な作業は止めさせるように、(健康を害したら)ちゃんと補償もするようにしていただきたい」と語る。

◯国連から相次ぐ勧告「避難者や子どもの権利を守れ」

  原発事故から8年経つ今なお、放射能汚染が深刻な中、被災者に対する政府の対応は著しく不十分なままだ。8日の記者会見では、国際人権団体ヒューマンライツ・ナウ事務局長の伊藤和子弁護士は「支援の打ち切りや切り捨ては重大な人権侵害であり、国連の人権機関からも、勧告がなされています」と語る。

 「原発事故後、日本政府は一般人の被曝限度を年1mSv(ミリシーベルト)から大幅に緩和して、20mSVを避難基準としました。これを下回る地域の住民には、公的な支援はほぼありません。経済的な余裕がない限り、自主的な避難は困難です。唯一の支援は無償の住宅提供でしたが、これも打ち切られてしまいました」(伊藤弁護士)。

 こうした日本政府の姿勢には、国連の人権関連の機関から勧告が相次いでいるのだ。

 「国連人権理事会が選任した『健康に対する権利』特別報告者アナンド・グローバー氏が、2013年5月、報告書を提出。年20mSvを避難基準とする日本政府に対し、国際基準の年間1mSv以下になるまで、住民に帰還を促したり、賠償をうち切るべきではない等、と勧告しました。2014年には、自由権規約委員会は、『福島第一原発事故によって影響を受けた人々の生命を保護するため全ての必要な措置を取ること』を勧告。2016年には女性差別撤廃委員会が、日本政府が年20mSvを下回る汚染地域の避難区域指定を解除する計画について、『女性と少女に不均衡に偏った健康上の影響を与える可能性がある』と懸念を表明しています」(伊藤弁護士)。

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