「県民健康調査」に関し、福島県に要望書を提出しました via Our-Planet TV

福島県で194人もの小児甲状腺がん患者が見つかっている問題をめぐり、OurPlanetTVではこの2年間、福島県や福島県立医大に対して、詳細な手術症例の開示や臨床医の説明を求めてきました。その一部は個別取材や論文・学会などの発表により徐々に解明され、これまでもOurPlanet-TVで公表するとともに、科学雑誌※で詳細を報告してきたところです。

とはいえ今なお、再発・転移の状況をはじめ、臨床現場の状況は不透明なままです。「過剰診断」により「見つけなくてもよいがんを見つけている」との言説が流布していますが、OurPlanetTVの取材によれば、実態とかけ離れています。来週12月25日に開催される福島「県民健康調査」検討委員会に向け、改めて要望書を作成し送付いたしました。

(略)

なお毎回、検討委員会後の記者会見が短いため、様々な疑問が解消しないままとなっています。上記の要望書提出と同時に、以下の質問に回答するよう求めているところです。

1、 節目健診の方々のデータはいつどのように公表されるのか?(対象者人数は?)
2、 県外検査の日にちが5月31日現在になっているが何故か?
(県外・県内に関わらず、集計日の日にちを揃えるべきだと思うのですが)
3、 県立医大が新たに研究計画をたてて、「症例」把握をすることになったが、前回の検討委員会では「まだ倫理委員会に提出していない」との説明があった。しかし、実際には10月10日の倫理委員会で承認されている。なぜ、「これから倫理委員会に提出する」などとの虚偽の説明が行われたのか。
4、 上記研究は、研究計画書を見ると、同意書不要の研究となっている。すでに進められている福島医科大の研究(研究番号1909)で小児・若年甲状腺がん患者の症例データベースの存在が明らかになっているため、1ヶ月程度で結果がでるはずなのだが、県は、そのあたりをどう認識しているのか。
5、 前回検討委員会で、「検討委員会」と「甲状腺評価部会」の委員は重複しないようにしたと星座長は説明していたが、大阪大学の高野委員はなぜ重複しているのか?
6、 「甲状腺検査(二次検査)受付票」には2次検査の診療日を記録する欄が計5つ存在する。(別添1—①)甲状腺がんと全く関係ない症例は別としても、一定程度の「経過観察」は2次検査の枠内で実施可能ではないのか?
7、 前回検討委員会で、「検討委員会」と「甲状腺評価部会」の委員は重複しないようにしたと星座長は説明していたが、大阪大学の高野委員はなぜ重複しているのか?
8、 全国で行われている「福島原発事故」の損害賠償裁判で、被告・国の意見書に名前を並べ、「今回の事故では健康影響は起きない」と主張している専門家が、甲状腺評価部会の委員に選出されているが、中立性に問題があるのでは?
9、 IARCの会合について、環境省の梅田環境保健部長からなぜ検討委員会に報告がないのか?

要望書は「県民健康調査」に関し、福島県に要望書を提出しました

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