福島県内の除染で出た土を公共工事の建設資材などとして再生利用するための実証事業について、環境省は、避難区域に指定されていない自治体で行うことを初めて決めました。これまで避難区域がある自治体に限っていた事業を、区域外にも広げることで、将来的に最終処分する廃棄物の量を減らしたい考えです。
福島県内の除染で出た土などの廃棄物をめぐって、環境省は、放射性物質の濃度が一定の基準を下回ったものについては、道路や防潮堤を作る際の盛り土や、公園や緑地を造成するための建設資材など、公共工事で再生利用する方針です。
これまでに、いずれも除染で出た土の量が多く、今も一部の地域が避難区域に指定されている、南相馬市で再生利用に向けた実証事業を進めているほか、飯舘村でも事業を行うことを決めています。
これに加えて環境省は、避難区域に指定されていない自治体としては初めて、二本松市で来年度から実証事業を行うことを決めました。
使われるのは、1キロ当たりの放射性物質の濃度が1000ベクレル程度と、環境省が定めた基準よりも大幅に低い土で、仮置き場の近くの道路の建設資材として使ったうえで、その後、異常が無いか確認するということです。
政府は、福島県内の除染で出る土などの廃棄物を、今後30年以内に県外で最終処分する方針ですが、その量は、最大で東京ドーム18杯分に当たる2200万立方メートルに上ると予想され、処分のめどはたっていません。
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