[…]
しかし、福島第一原発、福島第二原発では、「東日本大震災後初めて」(東京電力)地震を理由に大規模な設備の停止があった。
福島第一原発では、原子炉建屋にたまった汚染水を移送する設備を、手動により停止させた。
これは、「汚染水が津波で漏れて環境を汚染させるリスク」を防ぐためだったと東電は説明している。
福島第二原発では、3号機の燃料プールの冷却用ポンプが、水位の変動を感知して午前6時10分に自動で一時停止した。
[…]
東電が記者会見を行ったのは、3号機のポンプの再開後の午前9時だった。
東日本大震災の原発事故の際には、東電の広報の遅れや情報隠しとも思われる姿勢が、批判を浴びた。
今回、東電の広瀬社長が出張先の新潟から急きょ本店に戻ったことは評価できるが(震災時は清水社長(当時)が出張先の関西から数日間戻れず批判の的になった)、危機管理や広報の体制にゆるみが無かったのか、あらためて検証が必要であろう。
震災から5年がたち、人々は福島でいま何が行われているか、関心が薄らいでいる。
今回の地震は、あらためて福島第一原発事故の収束がいまだ途上であることに気付く機会にもなった。
廃炉が終わるのは、30〜40年後と見込まれているが、世界でどの国もやったことのないこの廃炉事業には、いったい何年かかり、どれだけの費用がかかるのか、誰もはっきりした答えを持たない。
この途方もないリスクとコストは、将来の世代に受け継がれていくことになる。
もっと読む。