チェルノブイリ原発を「石棺」ごと巨大なシェルターでスッポリ覆う作業が開始、5日間かけて全体を移動 via Gigazine

1986年に「史上最悪の原発事故」を起こしたチェルノブイリ原子力発電所があるウクライナで2016年11月14日、原子炉を覆っている「石棺」を含む原発施設を丸ごと巨大なシェルターでさらに覆う作業が開始されました。シェルターは幅275メートル、長さ162メートル、高さは108メートルもあるもので、総重量は3万6000トンにも及ぶ巨大な構造物となっています。

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建造されたシェルターの全体像。コンクリートと鉄で造られており、上面はなだらかなアーチで覆われています。

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放射性物質の飛散を防ぐために、事故後には「石棺」と呼ばれるコンクリート製の建造物が急ピッチで作られました。しかし、事故から30年を経て老朽化が目立っており、今後は石棺そのものが崩壊する危険も指摘されていました。さらなる被害を防ぐべく、今後何世代にもわたって全体を覆うために建造されたのが、今回の巨大シェルターというわけです。

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ジャッキを作動させて実際に移動を開始した様子が、以下のタイムラプスムービーに収められています。

Major step in unique engineering project as Chernobyl arch slides into place – YouTube

以下のムービーには、シェルターの建設が進められている現場の様子や、廃墟と化したチェルノブイリ原発の内部の映像などがまとめられています。

Authorities at Chernobyl Prepare to Seal off Reactor Building With New Steel Structure – YouTube

このプロジェクトは、欧州復興開発銀行(EBRD)を主とする出資者からの予算によって進められており、総費用は15億ユーロ(約1700億円)にのぼります。4日間かけてシェルターを移動させ、2016年11月29日までに設置を完了させる計画となっているとのこと。ウクライナのオスタプ・セメラク環境相はこのプロジェクトについて「1986年に発生した事故から続いてきた30年にわたる戦いの終わりが始まりです」と語っています。また、EBRDは巨大シェルターの建設と設置は「工学史上、最も野心的なプロジェクトの一つ」だとしています。

全文はチェルノブイリ原発を「石棺」ごと巨大なシェルターでスッポリ覆う作業が開始、5日間かけて全体を移動

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