【独占】小泉純一郎大いに語る「自民党は、どうかしている」「日本人よ、目を覚ませ!」via 現代ビジネス

2年半前、都知事選の舞台に突如上がり、国民を驚かせた小泉氏。以来、公の場に姿を現す機会の少なかった氏が、再び立ち上がろうとしている。今度こそ全ての日本人に、大切なことを伝えるために。

安倍がダメならオレがやる

今年の春、私は衝撃的な映像を目にしたんです。それは’11年3月11日、あの東日本大震災の日に、いわゆる「トモダチ作戦」で福島近海に入った米軍兵士が、スマホで撮影したものでした。

東北の被災地にヘリで向かい、救援活動にあたった兵士たちが、福島沖に停泊している空母「ロナルド・レーガン」に戻ってきた。すると、放射能測定器 がガーガー鳴り始める。兵士たちはパニックです。「終わりだ」「オレたちは今、核のホロコースト(大虐殺)の真っただ中にいるんじゃないか」と叫ぶ声も 入っていました。

映像を見せてくれたのは、日系4世で広島被曝2世のエイミー・ツジモトさんという方です。エイミーさんは「ここで被曝した兵士たちはその後体調を崩 し、除隊を余儀なくされた人もいる。なのに、日米両政府は取り合ってくれない。小泉さんがアメリカに来てくれれば、ニュースになるかもしれない」と言う。 それで私は5月、カリフォルニア州サンディエゴへ飛んだのです。

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思わず涙が出た

7月5日に基金創設の記者会見を開き、東京新聞に一面広告も出しました。1ヵ月足らずで、もう3000万円を超える額が集まっています。募集期限は来年の3月31日ですが、少なくとも1億円は集めたいね。

原発事故当時は海に向かって風が吹くことが多かったから、放射性のプルーム(雲)が、停泊していた空母を直撃した。しかも空母では海水を濾過し、真 水にして使うそうですが、放射性物質までは取り除けない。シャワーや料理に使う水もすべて汚染されていたから、兵士たちは原発事故の最前線で、内部被曝と 外部被曝のダブルパンチを受けたのです。

彼らは帰国後、鼻血が出たり、下血したり、腫瘍ができたり、原因不明の体調不良に襲われた。ところが、海軍病院の医者に診てもらっても「放射能が原因とは言い切れない」と、因果関係を認めてもらえませんでした。

被災者救援に携わった海兵隊は、米軍でも一番訓練が厳しい部隊として有名です。貧しい家庭の出身で、体ひとつで身を立ててきた隊員が多いとも聞いて います。そうした頑強な若者たちが400人も、普通ならあり得ないような体調不良を訴えている。被曝と関係があるとしか考えられない。

アメリカは医療費が高いので、病院にもなかなか行けません。再就職をしようにも、体が衰弱しているから難しい。薬も高い。そういう話を聞いて、20代や30代の未来ある若者が困っていると知ってしまったからには、同情だけでは済まない。行動しないといけません。

私は10名の兵士たちと会ったのですが、その時「日本に対して何か言いたいことはありますか」「後悔していませんか」と全員に聞きました。でも彼ら は、恨みがましいことは言わないんだ。「日本のことは今も大好きです」「僕らは、全力で任務にあたっただけです」と答えてくれた。記者会見のときには、そ のやりとりを思い出して、思わず涙が出てしまってね。

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読売新聞に広告を断られた

当然ながら、東電は「原発事故と体調不良に因果関係があるとは断定できない」と賠償を拒否しています。アメリカの裁判は日本と違って、原告も被告も 徹底的に情報開示をしないといけませんから、「トモダチ作戦」に加わった兵士の本当の被曝線量など、表に出したくない情報が出てきてしまう。それだけは何 としても避けたいのでしょう。

日本政府も沈黙しています。実は訪米前に、外務省の北米局長に会ってこの話をしたのですが、「政府として法的には何もできない」と言っていました。

基金を設立したときも一悶着ありました。信頼できる知人に「発起人になってくれないか」と頼んで回ったんですが、なかなか受けてくれない。ある財界 人は「私の一存では決められない。会社に相談してみる」と持ち帰ってはくれたけど、結局NG。だから、もう少数精鋭でやろうと思ったんです。

新聞広告も、東京新聞だけでなく読売新聞にも申請していたんです。ところが読売は「裁判で係争中の事案は掲載できない」と断ってきた。理解できませ んよ。だって、現に健康被害を受けている人、病に苦しんでいる人がいるわけだから。裁判でどっちが勝とうが負けようが、困っている人たちを助けなければい けないことに変わりはないでしょう。

つまり、日本でもアメリカでも、いまだに原子力ムラは強大な勢力を保っている、それどころか息を吹き返しつつあるということです。被曝した兵士がい ることなんてほとんど報道されないし、支援基金に協力してくれる財界人は皆無に等しい。最終的に発起人は、’14年に一緒に脱原発を訴えて都知事選を戦っ た細川護煕元総理と、大野剛義(元さくら総合研究所社長)さん、吉原毅(城南信用金庫相談役)さん、そして私の4人でやることになりました。

でも、男気にあふれる申し出もありました。基金設立を知った建築家の安藤忠雄さんが、「これは日本人として絶対に見過ごせない問題だ」と、8月18日に、大阪で大規模な講演会を開いてくれることになったのです。

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私は以前、安倍総理に会ったとき、はっきりと「原発ゼロにすべきだ」と言いました。安倍さんは笑いながら聞いていたけれど、総理大臣が方針さえ示せ ば、国民は共感して、ついてきてくれるはずなんです。私だって総理のときは「原発は必要だ」と考えていた。だけど、後からそれが間違いだと分かった。日本 人全体が、今こそ目を覚ますときだと思います。

「過ちては改むるに憚ることなかれ」。自分が間違っていたと思ったら、いつでも意見を変えればいい。私はまだ、諦めていません。

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