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福島第1原発廃炉作業 見通し甘い汚染水対策を危ぶむvia 愛媛新聞

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「リスクを低減できた」―東電幹部は昨年をこう総括した。楽観的にすぎよう。前進した部分は確かにある。例えば、建屋周辺の井戸から地下水をくみ上げる作業。浄化して海に放出する措置を昨年9月から始めた結果、1日300トンだった建屋への流入量は200トンに減った。
 誤算が生じたのは、10月に完成した「海側遮水壁」だ。護岸に沿って鋼管を並べ、汚染地下水が染み出すのを防ぐ。護岸近くでくみ上げ浄化する手はずだったが、水量や放射性物質濃度などが予想を上回り、計画通り進まない。東電は1日400トンを建屋の地下に移送しているという。流入する地下水が減ったのに、処理が必要な汚染水を結果的に増やした見通しの甘さを猛省してもらいたい。
 問題はまだある。遮水壁でせき止められた汚染地下水の水圧は、壁を傾かせるほどに高くなり、それまで大量に海に流れ出ていたことを裏付けた。容易に傾くようでは遮水効果に疑問も残る。さらに、雨水の排水路などを経由して高濃度汚染水が流出する事案も後を絶たない。
 国や東電は、5年近くたっても流出を完全に止められない現状を重く受け止め、原発事故は今も続いているとの認識を新たにしなければなるまい。周辺環境への影響を国内外に説明する責任も肝に銘じたい。浄化後の海洋放出を含め、第三者機関による監視強化を求める。
 一方、対策の切り札とされる「凍土遮水壁」は運用が見通せない。東電は建屋への流入だけでなく護岸付近の汚染地下水も減らせると、早期の凍結開始を主張する。しかし完全凍結する保証はない上、凍土壁ができたとしても、周囲の地下水位が建屋内の汚染水より低くなれば流出する危険がある。水位調整は容易ではあるまい。失敗はその後の作業の遅れに直結するばかりか、取り返しの付かない事態を招く可能性さえある。安全性の議論を尽くすべきだ。
 繰り返される東電の場当たり的対応に鑑みれば、廃炉作業に国の積極的関与は欠かせない。出番はいくらでもある。汚染水対策は言うに及ばず、溶け落ちた核燃料の状態把握や取り出し技術の開発、国際協力も進めたい。近い将来、世界で多くの原発が廃炉の時期を迎えるのは明らかだ。福島第1原発の経験を国際社会が共有する仕組みを構築する必要があろう。
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