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【書評】スウェーデンは放射能汚染から どう社会を守っているのか via 日本アイソトープ協会

高見幸子,佐藤吉宗 共訳
防衛研究所,農業庁,スウェーデン農業大学,
食品庁,放射線安全庁 共同プロジェクト

本書は,チェルノブイリ原発事故を踏まえて,1997~2000 年にスウェーデンの国防軍研究局が中心となり行われた放射能汚染から食料を守るた
めのプロジェクトの一環として刊行された一般向けの報告書の日本語訳である。チェルノブイリ原発事故当時,スウェーデンでは放射能汚染への対応
体制がほとんど整えられていなかった。これは,東京電力(株)福島第一原子力発電所事故が起きた際の日本と似た状況であったと言えよう。
[…]
 第 4 章では,基準値と対策として,食品からの内部被ばくを防ぐために,基準値の決定,農作物,牧畜業,食品加工での対策,また,調理等の家庭にお
ける対策についてまとめられている。さらに,放射能汚染対策には戦略的行動が必要と述べられている。食品の基準値では,追加被ばくが年間 1 mSv
以下となるような基準が当初設定されたが,翌年にはスウェーデン人の摂取量が少ない種類の食品については,基準値の引き上げが行われたとのことであ
る。合理的な対応と理解はできるが,心理的な観点からは一般の理解を得るのは難しいのではないかと思えた。
 本書を一読し,福島第一原発事故の影響がいまだに残る日本に役立つものと確かに感じた。もし,事故前に本書の日本語訳があれば,安全神話があった
当時では見向きもされなかったかもしれないが,冷静にかつ効果的な対策ができていたかも……と考えてしまう 1 冊である。
(桧垣正吾 東京大学アイソトープ総合センター)

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