川内原発:「残念で乱暴な説明」…賛成、反対双方から反発 via 毎日新聞

1000人を超す市民で埋まった会場に怒号が飛び交った。九州電力川内原発が立地する鹿児島県薩摩川内市で9日開かれた住民説明会。川内原発が国の 新規制基準に適合した理由を説明する原子力規制庁の職員に対し、住民たちは「子供と孫に責任を持てるのか」と迫り、再稼働賛成派からも「説明が足りない」 といった声が聞かれた。賛成、反対双方を納得させるには至らず、再稼働に向けた地元手続きは最初からつまずく格好となった。

「説明に全く説得力がない」「まことに残念で乱暴な説明」。説明後、参加者から厳しい指摘が相次ぐと、壇上の説明者は「法にのっとって真摯(しん し)に対応してきたつもり」「絶対安全には到達し得ない」と対応。怒りの声が会場に何度も飛んだ。また、主催する県と市が参加者を抽選で絞り、会場での録 音も禁止したことを「何のための説明会か」と迫る場面もあった。一方で、再稼働に賛成する参加者からは「安全が確保された」という声もあった。

同県の伊藤祐一郎知事は、説明会での雰囲気を再稼働の判断材料の一つにする意向。しかし、参加者向けに配布されたアンケートは、「地震対策」や 「津波対策」など12の項目に丸を付け、説明会に参加して「良かった」か「良くなかった」を聞くだけの簡単な質問のみで、結果がどう反映されるかは不透明 だ。

(略)

薩摩川内市の教員、瀬戸ちえみさん(49)は、専門家から過小評価されていると指摘されている地震への評価を「聞きたい」と参加したが、会場で示された 根拠について「全く理解できなかった。リスクがあるなら押しつけるなといいたい」と漏らした。【津島史人、宝満志郎、杣谷健太、土田暁彦】

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