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電力も将来、再生可能エネルギー普及の可能性はあるが、現状はまだまだ。しかし、危険性を考慮して九州電力など9電力会社で脱原発の株主提案が出された。すべて否決されたが、福島で起きた事故が原発に対する不信を植え付けた。
注目すべきは、多くの自治体が脱原発議案に賛意を示したことだ。だが九電株主の県と4市は川内原発廃炉案に反対、棄権した。作家の柳田邦男さんは23日付本紙に「真の国富とは何か、GDPなどの数字ではない真の豊かさとは何かを議論すべきだ」と書いた。
本県も真剣に考えるときである。大飯原発差し止め訴訟判決は、250キロ圏内は「具体的な危険がある」と認めた。鹿児島県の川内原発から県境まで60キロ。250キロとなれば、九州がすっぽり入る。事故は起きないと誰が言い切れよう。
大飯原発再稼働を認めなかった福井地裁判決は「原発停止で多額の貿易赤字が出るとしても、豊かな国土に国民が根を下ろして生活していることが国富」と断じた。FCVや電卓同様、技術は進む。安心できる暮らしを長い目で考えたい。
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