◇放射線量 最高で国の安全基準の10倍
東京電力福島第1原発事故に伴う放射線について、福島県が、県営団地で除染して出た放射性廃棄物(土 壌)を、団地敷地内の児童公園に保管袋に入れただけで放置するなど、少なくとも5カ所でずさんな管理をしていたことが分かった。子どもが自由に出入りでき たか、近づける場所もあった。放射線量は最高で国の安全基準の約10倍だった。県は放射性物質汚染対処特措法の規定を十分把握せずに処理を業者任せにして いた。同法に抵触する可能性がある。
特措法は自治体などに、土で覆って遮蔽(しゃへい)するなどの安全管理を義務づけ、管理基準や管理方法をガイドラインなどで規定。生活圏と保管場所の境界線上の線量を「年間1ミリシーベルト」(毎時0.23マイクロシーベルト)以下になるよう安全策の徹底を定めている。
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工事を発注した県建設事務所の責任者によると、発注時の県の仕様書には業者がガイドラインに従うよう書かれていたといい、ガイドラインは「ざっと見 ただけ」と話している。除染を請け負った土木建築業者の現場責任者は、土で覆うなどの処理について「認識が甘かったかもしれない」とあいまいな説明をして いる。県建築住宅課は「実際どう管理されているか把握していなかった」と証言した。
県によると、除染廃棄物は中間貯蔵施設が完成するまで、各自治体が造る「仮置き場」での保管を予定しているが、設置が難航。県営団地内では児童公園に埋設か地上保管しているという。