佐藤優氏が分析する「小泉元首相が脱原発にかじを切った理由」ーーー日米関係から読む via echo-news

小泉純一郎元首相・・・小泉改革には今でこそ毀誉褒貶があるが、在任当時は総理大臣として圧倒的な人気と近年有数の在任期間を誇ったカリスマ的な人物だ。今でこそ国会議員から身を引いており「政治には関わらない」旨の発言をしているが、近日になって日本に原発は不要である旨の発言をしたことが、重ねて伝えられた。

もしそうするとなると、問題は代替エネルギーの確保となるが、その道のりを検討する際には、火力発電所への日本の依存率を見ると、化石燃料輸入のために海外情勢を視野に入れることが欠かせない。まさにこの点について、10月24日に衆議院議員会館で行われた勉強会で・元「外務省のラスプーチン」こと佐藤優氏が鈴木宗男・新党大地代表らと語ったので、その内容をお伝えする。(文中、敬称略)

(略)

鈴木宗男:私は小泉さんがフィンランドへ行って、高レベルの放射能廃棄物の施設を見て、そこで何万年もかかるだとか、何百年もかかるっていう話を聞いて、原発はダメだということに至ったということになってます。

でも、そんなことは総理のときからわかっているはずなんですね。

(略)

新党大地は原発ゼロですから。その裏づけはロシアから、持ってくるということで言って来たわけですからね。私から言わせれば小泉さんが原発をやめるというのは、新党大地の考えをきちんと裏づけするものでないかと思っていますね。

佐藤:わたしも、同じ考え方なんですね。ただし、持って来る先はロシアであって、シェールじゃないんですよ。だから本当のところは今回の小泉さんの原発ゼロというのは、フィンランドというのはつくりばなしというかきっかけで必要だったという話で、実際はアメリカから耳打ちされているのじゃないかと私は思っているんですよ。

原発ゼロは言っているけれども、核開発はやらないとは言ってないでしょう。だから恐らくは、核抑止力は持たないといけないから、核開発をやりたいということですよ。あちこちの大学に原子炉がありますからね。東海村とかはそれをやっているわけですよ。原発じゃなくて、逆に、核抑止力を持つための基礎研究をやっているわけですよ。

そのかわり原発をゼロにするというのは、アメリカの中での綱引きになるわけですよね。シェールガスをやっているグループは、原発なんかいらないんですよ。かえってそんなものは危険であるし、廃炉までを考えるとコストがかかってしょうがない。それよりはシェール一本でやった方がいい。

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これは裏返していうと、アメリカは中東から石油をもってきにくくなっているということですよ。でもそれでもかまわないということです。今回の件でアメリカはきちんとサウジに手当てをしていないんですよ。ということは、これはアメリカ直々にエネルギー政策をやるというような流れの補助石ということがよくわかる。

基本的な流れは、原発がなければですよ、これロシアか、シェールかというどっちかになるというわけですよ。バランスをとってロシアとシェールが両方をやるのが一番いいと思うんですよね。だけども小泉さんにはロシアという考えはないと思うんですよね。

鈴木宗男:これ今佐藤さんの話を聞いてですよ、原発が進められていたとき、一番反対したのは、石油を掘っている連中なんですね。これと今の話は符合する話なんですよ。

佐藤:そうなんですよね。ですから、これも今日大きな話題になるグリーンピースがありますよね。グリーンピースの活動にけっこうお金を出しているのは、メジャー(国際石油資本)です。

反原発で原発反対運動の後ろに常に石油資本というのはいますから。この辺のからくりを考えると、小泉さんはだてにあの話をしてるんじゃないと思う。となるとエネルギー政策は原発っていうので原発に足をとられているうちにこの制度というのは、これから大きなつけがくると思う。ならば、進次郎さんは、お父ちゃんがやっていることだからとりあえず従うという、とりあえずのスタンスでそれでいいんですよ。

反原発運動と同時にシェールをやりますし、シェールをやるために重要なのがTPPです。TPPで経済的な面からいくとすると小泉親子のやっていることというのは10年先のスパンで整合性のあることなんです。

アメリカへの依存をより強める代わり、核抑止力については安全保障上の別途の理由で、核廃絶からはやってないです。そうなると、この小泉さんの話っていうのは意外とばかにできないんじゃないかな。

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