汚染水対策の地中の壁 機能せず via NHK News Web

福島第一原子力発電所で汚染された地下水が海に流出している問題で、東京電力が地下水の流出を止める対策として護岸に設けた「地中の壁」よりも、すぐそばの井戸の水位のほうが高いことが分かり、対策が機能していないことが裏付けられました。

福島第一原発では、経済産業省の概算で1日およそ300トンの汚染された地下水が海に流出している とみられ、東京電力が流出を止めるために、護岸沿いのおよそ100メートルにわたって地中の深さ16メートルまで特殊な薬剤を注入し、壁のように固めた結 果、せき止められた地下水の水位が上昇しています。
地中の壁は、地表から1.8メートルほどまでの浅い部分は固めることが難しく、東京電力は、水位の上昇の状況を知るために地中の壁の2メートル山側で新たに観測用の井戸を掘って調べました。
その結果、井戸の水位のほうが地中の壁の最も上よりも60センチほど高いことが分かり、地中の壁が対策として機能していないことが裏付けられました。
福島第一原発では、1号機近くに新たに掘られた、これまでで最も北にある観測用の井戸で8日、採取した地下水から放射性物質の「トリチウム」が1リットル当たり2万3000ベクレルの濃度で検出されていて汚染の範囲も広がっています。

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