原発と異なる安全規制、停止長期化で研究影響も via msn.産経ニュース

(抜粋)

「原発などと違い、事故によって核分裂が連鎖するような事態には至らない比較的安全な施設だが、運転再開を認めるには、今回の事故に至った原因を一つ一つ検証する必要がある」

原子力規制庁幹部はそう述べ、今回の事故を徹底的に検証する意向を示した。

J-PARCは加速器で陽子ビームを、さまざまな物質に衝突させ、発生する中性子やニュートリノを観察する施設だ。副産物として放射性物質が生じるが、放射性物質そのものを反応させたり、加工する施設とは根本的に性質が異なる。

そのため、放射性物質に関する安全規制も原子炉などに比べ緩い。規制庁によると、原発などは原子炉等規制法に基づき、安全対策が課せられるが、J-PARCは放射線障害防止法で、放射性物質の遮蔽や管理、周辺のモニタリングなどを求める程度だ。

しかし、規制庁幹部は「だからといって危険な放射性物質を扱っている点は変わらない」と指摘する。

規制委は今後、定例会で対応を検討することになるが、J-PARCを運営する日本原子力研究開発機構は、高速増殖原型炉「もんじゅ」の点検漏れで安全意識の低さが指摘され、運転再開が禁止されたばかり。J-PARCも厳しい判断が示される可能性がある。

運転再開には地元の理解も不可欠だが、通報が事故から1日半遅れたことに不信感を募らせており、一筋縄ではいかないことも想定される。

同施設はニュートリノを295キロ離れた岐阜県飛騨市の検出器「スーパーカミオカンデ」まで飛ばし「ニュートリノ振動」という現象の解明を目指し、世界の研究機関としのぎを削っている。運転停止が長引けば、日本の基礎物理研究に遅れが生じる懸念がある。

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