略奪されたコンビニの暴力的な現実
相馬市小高をすぎて、国道6号を南に向かっている時だった。運転席のジローくん(仮名)が左側を指差した。
「ほら、あれ、略奪されたコンビニ」
一見するとどこにでもある普通のコンビニだが・・・。え? ぼくは戸惑った。被災地では略奪はなかったことになっているのでは?
「ATMが壊されて金が盗まれたらしいス」
広い駐車場にワンボックスカーを入れた。今度も手短にお願いします。国道はパトカーが多いですから。ジローくんはそう言って、また「見張り役」を引き受けてくれた。
セブン-イレブンに歩み寄る。向かって左側の側面のガラス壁が割られていた。人がくぐれるくらいの穴があいている。