原発と国家  「電力」の覇権 人事も盾に官僚操縦 西日本新聞 8月31日朝刊(P35) 原発と国家 第4部 「電力」の覇権<2>から抜粋

◇ 電子版では見当たらない記事です。全文見つけ次第転載します。抜粋は中村隆市ブログより。

明らかな左遷。電力10社でつくる業界団体、電事連の意向による”電力辞令”だった。官僚は直前に、核燃料サイクル事業の問題点を指摘する文書の作 成に関わった。「国民に知らせるべきだ」と確信しての行動だったが、業界には不都合な文書に電事連は猛反発、警告を発した。「政治家は業界の味方。パー ティー券を大量に処理してやっているから。派手に動くと痛い目に遭うぞ」

官僚は一蹴したが、自らの異動に直面し「まさかここまでの力とは。紙を渡したのは電事連の意向を受けた大臣だろう」と思った。別の官僚は「電力ににらまれると出世できない。監視しているなんて幻想で、電力が経産省を操っている」とぶちまける。

アメも駆使する。電事連の10社が経産省や前身の通商産業省から受け入れた天下りは過去50年で54人。電力社員を役所に出向させる。”天上がり” で労働力を提供する。東京電力は00年以降、内閣官房や文部科学省などへ23人を送り込んだ。前資源エネルギー庁長官の石田徹(58)は今年1月に批判を 浴びながら東電顧問に就任、原発事故後の4月に退職した。

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