枝野幸男官房長官は2011年7月15日午前の会見で、菅直人首相が「脱原発」に言及したことで注目されていたベトナムへの原発輸出について、 「(福島第1原発での)事故を乗り越えて安全性をさらに高めるということに対しての評価も得ていかなければいけない」と述べ、前向きな姿勢を示した。午後の会見で長官は、ベトナムに加えてリトアニア政府も14日に新型原発建設の独占交渉権を日立製作所と米ゼネラル・エレクトリック(GE)との 連合に与えたことも踏まえて、「(ベトナム、リトアニアなどから)日本の技術力について評価をいただけているということについてはポジティブに受けとめた い」と語り、成長戦略の一環である原発輸出を推し進める考えがあることを示唆した。鳩山政権(当時)が道筋をつくったベトナムでの原発建設は、2010年 10月に菅首相が同国を訪問した際、”グエン・タン・ズン首相との首脳会談で決まった”とされ、菅政権の成果のひとつとされてきた。
上記の長官への質問は、13日に早稲田大学で行われた講義「会見質問をみんなで考えよう 講師:七尾功」にて学生が提案し、視聴者がニコ生のアンケートを通して採用したもの。ニコニコ動画記者が代読した学生の質問に対する長官の回答は、読売新 聞が運営するインターネットサイトYOMIURI ONLINEにて「ベトナムでの原発建設は推進、『脱原発』とは別」との見出しで15日13時28分に配信された。また、翌16日の読売新聞朝刊2面に「ベトナムへの原発輸出推進 官房長官」として報じられた。
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