東京電力福島第1原発事故の早期の収束を図るため、60歳以上を中心とした元技術者が立ち上がった。その名も「福島原発行動隊」。メンバーたちの信念はた だ一つ、「汚染された現場では未来ある若者より、われわれ年寄りが作業した方がいい」。この言葉に世界が感動した。さっそく原発敷地内にも“突入”。発起 人で理事長の山田恭暉(やすてる)氏(72)の目に映ったものは…。(聞き手・小川健)
――山田氏らメンバー5人が12日、敷地内に入った。現場の状況は
「作業員の大変さは想像を超えていた。ただ、汚染水処理循環システムがひとまず安定し、安堵感が漂っているように感じた。劣悪な環境下、あれだけ大きな汚染水浄化処理システムを数カ月で立ちあげたのは称賛に値する」
――だが、課題は多い
「汚染水処理の配管設備は屋外4キロにも及んでいる。やはり仮設の域を出ない。水処理の専門家がいない中、高濃 度汚泥の処理や保管方法も含めて今後数年間、確実に稼働できるのか疑問だ。また、作業員の所属する事業者ごとに被曝管理をしているが長期的なチェック、敷 地内や周辺の高濃度被曝エリアのモニタリング、ガレキ処理、要員の確保も大変だろう」
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