福島原発
被災自治体の首長らとの意見交換会であいさつする菅首相(左奥から2人目)(16日午後4時21分、福島県郡山市のホテルで)=坂口祐治撮影
菅首相は16日、福島県郡山市のホテルで、東京電力福島第一原子力発電所事故で被災した周辺12市町村の首長、議長らと意見交換した。細野原発相、平野復興相も同席したが、政府の原発対策への首長らの視線は険しく、いら立ちをぶつけられる場面が目立った。
首相はこの日、福島第一原発事故対応の活動拠点となっている「Jヴィレッジ」(福島県楢葉町)で作業員らを激励してから、首長らとの意見交換会に臨んだ。
首相は原発対策の工程表で、来年1月中旬までに原子炉を冷温停止状態とする「ステップ2」について、「多くの皆さんが故郷に帰れるように、(実現を)前倒しさせたい」と表明した。
これに対し、首相が表明した将来的な「脱原発」方針について「簡単にそういう話はしないでほしい」と批判が出たほか、「もっと我々と密に連絡を取ってほしい」などと、情報不足への強い不満の声も上がった。
(2011年7月16日22時10分 読売新聞)
首相、冷温停止の前倒し強調 福島で周辺首長と意見交換 via Asahi.com
菅直人首相は16日、福島県郡山市内のホテルで東京電力福島第一原発周辺の12市町村の首長や議長らと意見交換した。来年1月までに冷温停止をめざす事故収束に向けた工程表の「ステップ2」について、「多くの皆さんがふるさとに帰れるように、ステップ2を前倒しで実現できるように頑張りたい」と語った。
市町村側は避難住民の早期帰宅や放射性物質の徹底した除染などを要望。首相側は、周辺5市町村を対象に自主的避難を求める「緊急時避難準備区域」の縮小や解除を議題としなかった。細野豪志原発担当相、平野達男復興担当相も同席した。
首相が将来の「脱原発」を表明した後に「個人的な思い」と言い直したことについて、市町村側から「我々は脱原発に向かっているのに本当にがっかりした」との意見が出た。首相は直接答えなかったという。
いまさらいうまでもないが、ひとつの出来事を伝える短文がいかにちがったメッセージを届けるか、痛感する。