福島の苦悩 インドも 第一と同型 タラプール 元原発技官が映画化 via 東京新聞

 福島第一原発と同じ型では世界で最も古いインドのタラプール原発。その地元の村で暮らす人々の健康被害や貧困を描いた短編映画「ハイ・パワー 大 いなる力」が八月一、二日、東京都内で上映される。来日した元原子力エンジニアのプラディープ・インドゥルカー監督(50)は「フクシマを経験した日本の 皆さんに、現実を知ってもらいたい」と訴える。 (原尚子)

 「国はわれわれをだました。仕事をやる、施設を造ると言ったのに、何も実現していない」。村の女性が険しい顔で訴える。一九六四年の建設当時、原発は「大いなる力」と熱狂的に迎えられた。しかし今、村人たちはカメラに向かって不満をぶちまける。

 「約束のインフラが整備されなかった」「村では不漁や不作が続く」「がんや流産も増加している」。インドゥルカー監督は「メディアは沈黙し、インターネット環境も整わない村では(放射線測定器の)ガイガーカウンターも知らない」と嘆く。

(略)

 タラプール原発は、インド西部の大都市ムンバイから北へ約百キロの村に建設された。1、2号機は福島第一原発と同じ米ゼネラル・エレクトリック社製で、同じ型では世界最古。インドにある原発の中でも最も古く、現在も使われている。

 監督は八三年から十二年間、インド最大の原子力研究機関「バーバ原子力研究センター」に勤務した。アレルギー症状や神経痛などを感じて退職。体調 不良や仲間の自殺などが重なり、二〇〇九年から反原発運動に関わる。タラプール村には〇九年末から通い始め、一〇年十二月から三カ月ほどかけて撮影したと いう。

 安倍政権はインドへの原発輸出に向け、日印原子力協定の締結を目指している。インドゥルカー監督は「それが意味することを考え、世界的な反核の動きにつなげたい」と話している。

 映画は二十七分。八月一日午後二時から渋谷区の津田塾大千駄ケ谷キャンパスと、二日午後五時から台東区谷中三の一七の一一の「谷中の家」で。津田 塾大は五百円。谷中の家は申し込みが必要で上映とトークが千円、交流会が五百円。問い合わせは萩谷海さん=電090(4026)5974=へ。

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