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東電に誠意は感じられない 福島第1原発に最も近い工場社長の叫び via 日経ビジネス

東京電力の組織体制の見直しが議論されているのは、事故処理の費用負担に応じきれないと見られるからだ。東電は11月8日まで損害賠償として約3兆 801億円を支払い、「迅速に対応している」(賠償担当)という。ただ、損害賠償への不満は多い。損害賠償に関連する9月末時点の訴訟はおよそ80件だ。 その1つで、福島第1原子力発電所の直近に工場を持つ農薬中堅、アグロカネショウの櫛引博敬社長に東電を提訴した経緯などを聞いた。(聞き手は大西 孝弘)

福島第1原子力発電所の直近で農薬製造の工場を運営していました。原発事故直後の様子から教えて下さい。

櫛引:我々の福島工場は福島第1から南に約1キロメートルの場所にありました。海沿いに大熊東工業団地というのがあるのですが、その最も北に位置しています。すべての工場の中で福島第1に最も近いのではないでしょうか。

もちろん津波の被害はありました。海側の建屋は津波で流された松の木などで損傷したのですが、陸側の損傷は少なく、修復をすれば2011年のゴールデン ウィーク明けから操業できる程度でした。しかし原発事故で放射線量が高く、操業再開は見込めなくなりました。立ち入り禁止ですからどうしようもない。許可 を得て工場に行ったことがあります。帰る見通しが立たない大熊町の「帰還困難区域」は死の街のようでした。

(略)

東電に最強の弁護士軍団

裁判ではどんなやり取りをしていますか。

櫛引:東電は大手弁護士事務所を中心とした多くの弁護士がいます。まさに最強の弁護士軍団という印象です。請求に対して重箱の隅をつつくようなことを繰り返してきます。我々のような小さな会社で裁判の準備をするのはたいへんで、まさに消耗戦です。

例えば損害の計算方式について、画一的な申請書への記入を求めてきますが、請求者の業態は様々です。我々は製造から販売まで手掛けています。福島工場の原価として人件費を計算する場合、向こうは工場にいた人だけを換算するので額が小さくなります。

しかし、工場に常駐していない人も福島工場には深く関わっていました。東電は当社の生産本部の人件費などは計算に入れないのです。

訴訟に至ったのは、あまりに誠意がないからです。見舞金の扱いにも腹が立ちました。現地採用の26人は地震直後に避難して、そのまま自宅に帰れなくなり ました。現地社員に「今何が必要か」と聞いたら、「ガソリンと現金がほしい」というので、見舞金を1人当たり10万円渡しました。

工場再開の見込みがないから、その後条件付き解雇にして、その時は見舞金1人当たり10万円を出しました。東電は見舞金の請求にも応じません。それどころか、「アグロカネショウは見舞金も払っているから困っていないじゃないか」と言うほどです。

だいたい「すみません」という言葉を聞いたのが、原発事故からおよそ100日後です。「何がすみませんだ」と言ったら、「あんまり言うと誤解を招きます から」とにべもない。損害賠償と電力値上げ担当者が一緒に来たのです。「電力値上げをさせてください」と。両方一遍に済ませてしまおうという手抜きで、失 礼な話です。

東電は国の政策に従ってやっていたという意識です。責任を感じていません。彼らには加害者意識がない。被害者という意識なのです。

(略)

大熊東工業団地の中でも訴訟を起こしたのは我々だけでした。個人や個人商店は本来もらえるはずの賠償額まで届かなくても、すぐにお金が必要だから妥協していると聞くこともあります。泣き寝入りが多いのではないでしょうか。

(略)

東電の態度が強行な背景には何があると思いますか。

櫛引:東電は判例が残るのを恐れています。自己防衛に必死ですよ。彼らが画一的に適用している基準を崩すと、他の損害賠償でも請求額が増える恐れがあります。だからアリの一穴も許さないようにしているのです。

民事は3年で時効になってしまうので、それを見越して東電は先延ばし戦略をとっているようにしか見えません。それまでに提訴をしなければ時効になってし まうのですが、訴訟は手間がかかります。ADR(裁判外紛争解決手続き)という手もありますが、議員立法で時効を免除できるようにしてほしい。

(略)

私は日本のエネルギー政策として原発はある程度、受け入れざるを得ないと思っています。二酸化炭素排出量を削減するためにも一定量は必要ではないでしょうか。しかし原発事故を起こした以上、加害者である東電は被害者に賠償しなければならないのです。

全文は東電に誠意は感じられない 福島第1原発に最も近い工場社長の叫び

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