2011年9月15日(木)
――もしもに備えて厳しめに見ておいた方がいい、ということなのでは…。
田中:厳しめに見るのは構いませんが、厳しくしすぎることで現実に生活できなくなってしまいます。放射線被ばくの基準は、生活を維持することの利益と健康リスクの影響を考慮して決められていますので、厳しすぎると他のマイナスの方が大きくなります。
一番のリスクは被ばくを怖れるストレス
現地に行くと、「誰を信用したら良いんですか」という質問を受けます。はっきり申し上げて、専門の世界には少数意見があり、様々なことを言う人がいま す。ただ、我が国の放射線防護基準は、国連科学委員会やICRP、世界保健機関(WHO)などが協力し、蓄積した半世紀以上のデータを踏まえた作ったもの です。
ヒロシマ、ナガサキ、ビキニ諸島、セミパラチンスク、スリーマイル、チェルノブイリ――。こういったところで得られた科学的なデータを基に、国際的な合 意として放射線防護の基準が作り上げられています。科学者の様々な意見を否定はしませんが、現在の状況で国際的な合意と違う異見を主張して、国民を混乱さ せるのは控えるべきであると思います。
これを言うとよく批判されますが、100ミリシーベルト以下ではそんなに健康影響は大きくありません。私達は様々なリスクをもって生きています。よく言 われますが、たばこを吸うと1シーベルトの被ばくよりもガンになる確率が高い。受動喫煙も100ミリシーベルト並みの発ガンリスクがある。野菜不足、運動 不足、肥満などは100ミリシーベルトの被ばくよりリスクが大きいという国立がんセンターの統計があります。
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「現実に生活できなくなる」ということは無くて、皆なんとか妥協もしつつ現実に生活しているのだから、そういった心配は安全を語るうえで的外れ。こういう意見を実際に100msbtに曝されている人が言うならまだしも、やはり、そうした可能性(という立派なストレス)に曝されていない人が言うのはどうも納得いかない。たばこと癌の相関関係も最近では異なる見解も出ているし、放射能障害は単に原因―結果が(未だ)はっきりと証明できない、だけなのでは。とは言え、元原子力委員会の委員の意見として、知っておくべき大切な情報。