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Tag Archives: 福島原発事故
●原子力推進派 今週の暴言・失言集【第1回】事故を起こした東京電力福島第一原発を含めて、事故によって死亡者が出ている状況ではない(高市早苗・自民党政調会長/2013.6.17 自民党兵庫県連会合で)via 安全問題研究会
では、まず記念すべき連載の第1回は、自民党総裁選を記念して、今をときめく「ネトウヨの希望の星」高市早苗さんの素敵な発言から始めましょう。 もちろん、事故による死者は出ています。福島原発事故刑事訴訟では、避難指示区域内にあった双葉病院の入院患者たちが、避難途中に亡くなったことが業務上過失致死傷罪に当たるとして、勝俣恒久・東京電力会長らが強制起訴されています。1審・東京地裁は「津波は予見できない」として無罪判決が出ましたが、検察側が控訴しています。 双葉病院の入院患者たちは、確かに高市さんがおっしゃるとおり、直接的に事故の影響を受けて亡くなったわけではないのかもしれません。しかし、事故がなければ亡くならずに済んだはずの人々が、事故が起きた結果亡くなった。これは事故による死者ではないでしょうか。もし、これを事故による死者に含めないとしたら、どんな原発事故でどんな亡くなり方をすれば死者として認めてもらえるのでしょうか。「高市理論」では、世界中どこのどの原発でどんな過酷事故が起きたとしても、原子炉の中で直接火に焼かれることでもない限り、死者としては認めてもらえなさそうな雰囲気です。 まだ世界中の人々に福島第1原発事故の記憶が強く残っていた事故わずか2年後の時期に、こんなことを平然と言い放つような人物に私たちは日本の原子力政策を委ねるわけにいきません。原子力推進の立場であっても、事故が起き、犠牲者が出たという事実そのものは認めた上で、福島の反省を表明し「二度と事故を起こしません。エネルギー小国・日本が脱炭素や停電の危機を乗り切るために、仕方なく再稼働をせざるを得ないので、伏してお認めください」というならまだしも(当ブログは脱原発が実現するなら停電くらいしてもいいと思っているので、こう言われても困りますが)、事故で犠牲者が出た事実すら否認するという人と原子力政策でまともな話し合いが成立するとは思えません。 自民党総裁選の行方はまだ予断を許しませんが、少なくとも当ブログとしては高市さんだけは断固、阻止すべきだと思います。 原文
福島を語る(1)「東北の鬼」に会いに行く via imidas
三浦英之(新聞記者、ルポライター) 武藤類子(福島原発告訴団団長) 東京電力福島第一原発の事故発生から10年。原発事故にまつわる問題は多様化・複雑化する一方であるのに対し、メディアがそれを扱う機会は徐々に減りゆき、人々は原発事故を「過去のもの」だと捉え始めてはいないか。そんな潮流に抗うためにも、10年が経過した今だからこそ、福島の現実を知る人たちと議論を重ねていきたい。 私はこの春までの約3年半、新聞記者として福島に勤務した。過酷な現実の中を必死に生き抜こうとする人々を取材する一方で、この未曽有の原子力災害を今後、どのようなかたちで未来に語り継いでいくのか、ということが大きな関心事の一つであった。つまり、福島における「石牟礼道子」は誰なのか、という問いである。3年半に出会った関係者に聞くと、彼らの多くが「それは類子さんだと思う」と口をそろえた。「武藤さん」ではなく、彼女は被災地で暮らす人々に「類子さん」、あるいは「東北の静かなる鬼」と呼ばれていた。(三浦英之) (略) 武藤 2011年に原発事故が起きたときに抱いたのは、「悲しみの中にある怒り」でした。それを表現したのがあの言葉だったのです。東北の民はかつて、中央政府から「鬼」にたとえられました。荒々しくて、きちんと統治されていない、恐ろしいものとしてずっと扱われてきたのです。ところが、東北に伝えられている民族舞踏の中で表現される鬼というのは、また違った一面があります。例えば岩手の鬼剣舞(おにけんばい)は、鬼のような恐ろしい形相の面をつけた迫力のある踊りですが、実は不動明王などの仏の化身を表現したものなのです。「鬼」というのは、東北の人たちが中央政権にどのように扱われてきたかという、悲しい一面を象徴していると思うのです。 (略) 武藤 蝦夷の時代の抵抗や、戊辰戦争、明治の自由民権運動など、東北の人々は中央政権に対して常に従順だったわけではなく、激しく抗ってきたという歴史もあります。東北の人の血の中には、そうした静かに燃える怒りが、今でもあるんじゃないかと思っています。 原発裁判に見る東京電力の二面性 三浦 武藤さんは、福島原発告訴団の団長として、東京電力の幹部らに対して2012年に刑事告訴をして闘ってこられました。現在は控訴中ですが、2019年の東京地裁での無罪判決は、どのように受け止めましたか。 武藤 私は38回の公判をすべて傍聴しました。法廷では、今まで隠されていたメールや議事録が証拠として次々に出てきました。例えば、東電社内では文科省の地震調査研究推進本部が2002年に発表した「地震発生可能性の長期評価」を取り入れる前提でシミュレーションをして、15.7メートルの津波が襲来する可能性があることがわかりました。そこでは、津波が来た場合に何メートルの防潮堤が必要になるかを示す図面も作られていた。3人の被告人たち(東電の勝俣元会長、武藤元副社長、武黒元副社長)は大津波が来る可能性があるという報告を受けていたのに、結局、対策は取られなかったのです。 (略) 武藤 でも、個人として訴えるしか、手段がないのです。無罪判決が言い渡されたときには、「ああ、この国は誰も責任を取らない。司法までもがそうなのか」という、非常に深い絶望を感じました。被害者の誰がこんなことで納得できるでしょうか。 三浦 僕も、誰も納得はできないだろうな、と思いました。東電は、テレビや被災者の前では土下座までして「申し訳ありませんでした」と謝るのに、最終的に責任を迫られるADR(裁判外紛争解決手続)や裁判などでは絶対に譲らない。言っていることとやっていることがまるで違う。被災した多くの方々は、東電のそうした二面性を知り抜いているわけですから……。 武藤 私は、「脱原発福島ネットワーク」(1988年創設)という市民団体で、プルサーマル計画の中止や相次ぐ事故・トラブルの原因追及などについて、東京電力との交渉を30年近く続けてきました。事故後の2年半ぐらいは、中断していましたが、今も2カ月に1回くらい2時間、東電の広報担当者と市民とで交渉をしています。彼らは、毎回「申し訳ありませんでした。ご迷惑とご心配をお掛けしています」と言うのですが、事故後の対応や言動を見てもほんとに彼らが反省しているなという感覚は、とても持てないんですよね。その繰り返しで胃が痛くなるし、本当にイヤになるんです。 (略) 武藤 原告の福島の人々が何を失ったのかということが、まったく理解されていないのだと思います。失われたものの深さは、金額に換算することはできません。いろんな裁判の中で、「ふるさと喪失」は失われたものとして認めらないことが多いです。 福島とオリンピック 三浦 武藤さんは、2020年の福島での集会のスピーチで、オリンピックについてこのように話していました。 「莫大なお金がこのオリンピック、聖火リレーにつぎ込まれています。さまざまな問題がオリンピックの陰に隠され、遠のいていきます。オリンピックが終わった後に、何が残るのかとても不安です。私たちは、うわべだけの『復興した福島』を知ってほしいのではなく、たった9年では解決できない問題が山積した、とても苦しい、とても大変な原発事故の被害の実情こそを、世界の皆さまに知ってもらいたいです」(武藤類子『10年後の福島からあなたへ』大月書店、2021年) (略) 武藤 最初は、復興五輪と言っていたのに、復興なんかどっかにいってしまった。そのあとのコロナ克服にしても、何も解決していません。最初から全部嘘なんだなと思いますね。 (略) 武藤 福島の原発も東京オリンピックも、最も大切にされるべき命や健康というものが、まったく顧みられていないというのが、一番大きな共通点だと思います。原発もオリンピックも、巨大な力で実現していくために、誰かを犠牲にすることをまったく厭わない。特に私が怒っているのは、子どもを動員するということです。事故後に原発作業員たちの中継基地となったJヴィレッジが、聖火リレーの出発地点に決まり、地元の子どもたちが芝を植え替えるために動員されました。フレコンバッグ置き場だった福島市の運動公園も、野球とソフトボールの会場に決まり、小学生たちが花植えの作業に動員されられたりしました。福島では安全を宣伝するための一番の広告塔に、ずっと子どもが使われてきたんです。オリンピックでも、このコロナ禍の中であっても「学校連携チケット」で子どもを動員しようとしていたことが驚きでした。 (略) 武藤 今、福島第一原発の周辺には、「福島イノベーション・コースト構想」の一環で国際教育研究拠点の設置が計画されています。これは、アメリカ、ワシントン州の「ハンフォード核施設」(ワシントン州)の周辺地域をモデルにすると言っているんです。ハンフォードは、マンハッタン計画において長崎に落とされた原爆の材料であるプルトニウムを製造した施設ですが、その周辺は、深刻な放射性物質の漏洩や実験的な拡散によってアメリカで最も汚染された地域です。廃炉や除染技術の研究所や関連する企業によって発展をしましたが、周辺住民を犠牲にすることを厭わずにやってきた歴史があります。 三浦 ハンフォードに倣って、産学官民の調整役となる「福島浜通りトライデック」という民間組織もできました。今までのように官製ではなくて、市民団体に見えるようになっている……。原子力ムラが市民団体のような顔をして国の原発政策を後押しするという、今までにはなかった新しいやり方にならないか、懸念しています。 武藤 イノベーション・コースト構想は「浜通りの輝かしい未来をつくりましょう」と夢を見せながら、実際には原子力産業が支配をし、やがてまた住民が犠牲にされていくのではないかという不安が、私にはどうしてもあります。原発事故直後から、福島県には「夢」とか「希望」とか「安全」とか「絆」という言葉が氾濫して、みんなで前を向いて進んでいかなければいけないという風潮がありました。私たちは絶望すらさせてもらえなかったのです。 (略) 武藤 本当は、人々の中に不安がないわけではないのです。でも、何かに背中を押されるように、口をつぐみ「あきらめの境地」へ連れていかれたんじゃないかな。食品汚染や健康被害、あるいは汚染土や汚染水にしても、一見それぞれ別の問題であるように見えますが、実はそうではありません。それらはすべて、「放射能というものは怖くないんだ」という一つの考え方に行き着くのです。放射能が怖くないと思わせることで、現実を見させないようにしている。原発事故から10年たった今から見ると、それらは放射線防護の基準や考え方を大幅に緩め、原子力産業の復活を狙って仕組まれたのではないか、と感じています。まやかしの「夢」や「希望」に惑わされないためには、一度この絶望を、目を凝らして見つめなければいけないと思うのです。生きていく中で大きな出来事に出会ったときには、その事実に絶望して打ちのめされるという過程が必要なんです。絶望をしっかりと見つめるという過程を経てはじめて、私たちは少しずつ立ち直っていくことができるのだと思います。 全文は福島を語る(1)「東北の鬼」に会いに行く
人生のとき 原発事故、現実に 講談師・神田香織さん via 毎日新聞
東日本大震災発生の翌日、2011年3月12日。交通網が寸断される中、神田香織(66)は、東京・日比谷で開かれた一番弟子の織音(おりね)の真打ち披露パーティーに出席した。 香織の郷里、福島県いわき市に住む両親や弟一家の無事を確認できたが、全電源を喪失した東京電力福島第1原発の状況が心配で、着物の帯を締める手が震えた。 (略) 香織は恐怖心とともに「悔しい」という感情を抑えられなかった。警鐘を鳴らすため、日本で深刻な原発事故が起きた、と想定した講談を繰り返し語ってきたからだ。 ライトが点滅し、ヘリコプターの音が舞台に流れる。香織はアナウンサーの口調で語り出す。「原子力発電所で配管が破断し、メルトダウンが起きました」「放射能は強風に乗り、関東方面に向かっています。非常事態宣言が発令されました」 02年に発表した講談「チェルノブイリの祈り」の最後に、日本でも旧ソ連のチェルノブイリ原発事故に匹敵する原発事故が起きたという「仮想現実」を付け加え、語るようになっていた。 講談「チェルノブイリの祈り」は、ノーベル文学賞作家スベトラーナ・アレクシエービッチの同名作品を基に創作した。チェルノブイリ原発事故で、消火活動に当たった消防士の夫が放射線障害で亡くなったことを看病した妻が回想。2カ月後に生まれた女児も先天性の内臓疾患があり死亡するというストーリーだ。 いわき市で口演したとき、来場した友人や親戚らは「原発事故の恐ろしさがよく分かった。でも、日本の原発は安全だから大丈夫だ」と言う。その後、日本各地で語ったが、観客の反応は同じ。原発事故は、遠い国の出来事だと思っていた。 (略) 架空ではない現実の原発事故が、郷里の福島で起きた。香織は、出身高校の同級生や先輩、主宰する講談サロン「香織倶楽部」のメンバーらと一緒に、NPO法人「ふくしま支援・人と文化ネットワーク」を立ち上げた。 福島の子どもたちを保養に連れて行ったり、農家の援農ツアーを企画したりするなど、さまざまな活動を続けた。合間に避難所や仮設住宅で被災者と話し、捜索に当たった消防団員の体験談も聞いた。いつか講談にしたいと思っていたからだ。 「でも、日々状況が変わり、事故の収束も見えないので、なかなか講談にできなかった」 ためらう香織の心に火を付ける出来事が起きる。13年9月、ブエノスアイレスの国際オリンピック委員会の総会で、当時の首相、安倍晋三(66)は、福島第1原発の汚染水漏れについて「状況はコントロールされている」「現在も、将来も問題ない」と述べたのだ。 「汚染水は出ていないと、うそをついて東京に五輪を招致した。復興五輪というが、被災地復興のための人材も資材も全て五輪に持って行ったのだから、逆復興五輪だ」 香織は怒りをばねに、講談「福島の祈り ある母子避難の声」を完成させる。主人公の真弓は、いわき市生まれで東京に住む専業主婦。男女2人の子どもがいる設定だ。 (略) 「チェルノブイリ」から「沖縄」へ 広島原爆で被爆した少年が主人公の漫画「はだしのゲン」を講談化した神田香織は、社会派の講談師として知られる。「チェルノブイリの祈り」のほか、横浜市に米軍のジェット機が墜落し、母子3人が亡くなった事故を題材にした「哀しみの母子像」や狭山事件を基にした「石川一雄、学問のすすめ」などの新作講談を発表している。今、取り組んでいるのは、沖縄をテーマにした講談の創作だ。名護市辺野古の米軍基地建設で、沖縄戦戦没者の遺骨が眠る土砂が埋め立てに使われる可能性があることに憤慨。「沖縄戦で多くの人を犠牲にし、いまだに沖縄いじめを続けているのは許せない」と話す。 全文は人生のとき 原発事故、現実に 講談師・神田香織さん
福島原発事故研究者を解雇 自由侵害と仏機関に非難 via Jiji.com
【パリ時事】フランスと日本の研究者ら16人が7日付の仏紙ルモンドに寄稿し、仏公的機関で東京電力福島第1原発事故の社会的影響を調査中の仏学者が解雇されたのは研究の自由の侵害だと非難した。 (略) 寄稿によると、社会人類学者クリスティーヌ・ファセール氏は放射線防護原子力安全研究所(IRSN)で、パリ政治学院や東京工業大と共同研究を行っていた。しかし「不適切な行動」と「上司への度重なる不服従」を理由に昨年6月、解雇された。 ファセール氏は同紙に、複数の論文発表後に上層部から妨害を受け、内容の変更を迫られ、学会参加も阻まれたと訴えた。共同研究を行った長谷川玲子氏も同紙に「われわれの分析がIRSNの望む方向でなければ変更を強要された。研究分野では考えられない行為だ」と非難。事故後に日本国民が政府への信頼を失ったことを記すと修正を強いられるなどしたと説明した。 全文は福島原発事故研究者を解雇 自由侵害と仏機関に非難
「これで家を壊せる」 福島原発事故後の〝帰れない村〟を映像に、撮った写真家の心に残る住民の言葉 via Withnews
東日本大震災から今年で10年。福島第一原発事故の後、福島県ではいまだ人が住めない「村」があります。浪江町津島地区(旧津島村)。人口1400人ほどだった山あいの集落は放射線量が高く、今も帰還困難区域に指定されています。その地区を一戸一戸、ドローンで空撮するプロジェクトが2019年6月から1年がかりで行われました。「ふるさとの映像を何とかして残したい」。住民の熱意を受け、全520戸の撮影を担当した野田雅也さん(46)に話を聞きました。(withnews編集部・丹治翔) (略) 住民の結びつきの強さ ――全ての撮影が完了するまで約1年かかりました。 映像に残す方法として、「津島地区全体として空撮」「全520戸を一戸ずつ撮影」の二通りがありました。撮影前に、住民がつくった「ふるさと津島を映像で残す会」に尋ねたところ、選んだのは「全員の家を撮る」ことでした。 帰還困難区域ですので地区への入り口は今もバリケードが置かれ、撮影にも役場や警察の許可を得る必要があります。滞在時間も限られますので、手間も費用もかかる。実際、地図を見てドローンを飛ばしたけど、草木が生い茂って一度では住居を探せなかったときもありました。 それでも全ての家を撮影できたのは、「一つも撮り逃したくない」という残す会の強い思いがあったからでした。 撮影中、「ここはねえ、○○ちゃんがいてね。隣の家は○○ちゃんでね……」とみなさん名前で呼び合うんです。 津島地区は周囲を阿武隈山系に囲まれていて、集落の結びつきが強い。1年間で延べ1カ月以上の撮影をしましたが、同行した住民たちが毎回、ふるさとへの思いを語ってくれました。 1年かかったのは、「桜を撮りたい」という要望があったからです。山を切りひらいて建てた家に植えられた桜は、毎年きれいな花を咲かせていました。撮影のスタートが初夏だったので、最後に満開の桜を撮れるよう進めていきました。 撮影で気持ちに区切り ――印象に残っていることは何ですか。 自宅の撮影に同行した女性が「これで家を壊せる」と言ったんです。避難からもうすぐ10年。「ふるさとへ戻りたい」と願っていた人たちの中にも月日が経つにつれ、あきらめの気持ちが出ている人もいます。 ある男性は「避難先で生活の基盤を築いた息子は『もう帰らない』とはっきり言っている。津島の歴史は私の代で終わりです」と話しました。 プロジェクトは空撮だけではなく、住民にインタビューをしたり、津島の自然や伝統芸能を撮ったりもしました。後世にも伝えることができる「ふるさとの記憶」を映像に閉じ込め、自分の気持ちに区切りをつけていた住民の姿が今も心に残っています。 全文は「これで家を壊せる」 福島原発事故後の〝帰れない村〟を映像に、撮った写真家の心に残る住民の言葉
原発事故で天皇避難を打診 via Reuters
2011年3月11日に発生した東京電力福島第1原発事故の直後、当時の民主党の菅直人政権が、天皇在位中の上皇さまらに京都か京都以西に避難するよう非公式に打診していたと、元政権幹部が29日までに証言した。宮内庁側は上皇さまのご意向として「国民が避難していないのに、あり得ない」と伝え、政権側は断念したという。複数の元官邸幹部は皇位継承資格者である秋篠宮さまの長男悠仁さまの京都避難も検討したと明かした。 続きは原発事故で天皇避難を打診
中間貯蔵予定地に妻の墓 原発に故郷追われる苦しみとは via 朝日新聞
東京電力福島第一原発事故により福島県内の各地で出た大量の除染土は、原発が立地する二つの町の施設で保管されている。法律で県外処分が約束されるが、先は見えない。東京ドーム340個分に及ぶ施設の用地交渉に関わる環境省の地元責任者だった小沢晴司さん(59)には、退官した今も心に残る住民の姿がある。 おざわ・せいじ 1961年、東京都生まれ。86年、北大農学部卒業、環境庁(現・環境省)入庁。磐梯朝日国立公園管理官(裏磐梯)などを経て、2012年8月から20年7月に環境省を退官するまで、福島環境再生本部長などとして除染に携わる。同年8月、公立宮城大学教授に就任。福島大客員教授も務める。博士(環境科学)。 ――1986年に環境庁(現・環境省)に入ってまもなく、チェルノブイリ原発事故が起きました。 「事故後は世界中に放射性物質が降り、事故が起きた一帯は立ち入り禁止になりました。それで当時、上司に『日本で事故が起きたら、どう対応するのか』と質問しました。上司は『日本ではそういう事故は起こらないから、心配しなくていいよ』と言いました」 (略) ――当時、原子力はどんなイメージでしたか。 「学生時代、大学が管理する北海道幌延町の森で調査研究をしていました。町は当時、原発を運転すると出る(「核のごみ」と呼ばれる)高レベル放射性廃棄物の処理施設を誘致しようとしていました。長期管理が必要な廃棄物を生み続ける原子力は、人の手に余るのではないかと感じていました」 (略) ――当時、放射線量を下げるため、どう除染を進めるかが大きな課題でした。国直轄の除染は、17年3月までに完了した分だけでも県内11市町村の農地など計約1万8千ヘクタール、宅地2万3千件に及びました。 「12年、建物や農地の除染の同意をもらうため、環境省の職員が県内外の避難者を一軒一軒回り始めました。国の職員が回るのはこれが初めてでしたから、賠償額のもとになる避難区域の区割りの不満など、避難者からすべての苦しみを投げつけられました」 「県内外の避難先に車で行き、面会が夜や土日になることもあるなか、最初はなかなか除染の同意が得られず、職員は疲労困憊(こんぱい)になっていました。同様の仕事を長く務めてきた組織なら対応できるのでしょうが、私たち幹部にも、そんな経験はありませんでした」 (略) ――15年からは、福島県内の除染で出た土などを運び込む中間貯蔵施設(同県大熊、双葉両町)の用地交渉も始まりました。地権者の住民らは、環境省に土地を売るか、所有権はそのままで使用料を取って貸すかの選択を迫られました。 「私が直接、交渉に行った男性は『わかりました。ただ、(建設予定地の中に)共同墓地があるので、中間貯蔵施設ができるまではお参りをしたい』とおっしゃいました。共同墓地には男性の奥さんのお骨がありました。奥さんが亡くなったのは震災後で、それでも(建設予定地の)共同墓地にお骨を置くわけです。男性は強い言葉で言ったわけではないですが、大変重い意味があるのだと思い知らされました」 (略) ――中間貯蔵施設の除染土は、45年3月までに搬出して県外で最終処分すると法律で定めています。しかし、搬出先は決まっていません。 「いまは県外に搬出する土壌を減らすため、(農地造成や公共工事に使う)再生利用を進めているところです。搬出される土壌の量がどれぐらいになるのか、わからない段階で、どこかの自治体が無条件で受け入れるようなことは、大変難しいと思います。いまは、搬出する土壌をどこまで絞り込めるか、そのプロセスを進めることが求められていると思います」 (略) ――原発事故を経験しても、日本では原発をやめられません。 「福島の事故で、原子力は事故が起きれば大変な被害が出るのだと世に知られました。そしてまた、日本では戦後、原子力を受け入れた地域がたくさんありました。反対もあり、いろんな葛藤や苦しみがあった。それでも、受け入れた地域の判断がある。その時間の経過も重いと思うのです」 「地方では人口減少が進み、地域経済が苦しくなると予想されるとき、原子力は大きな安定産業。それを選ぶ自治体の判断もあると思います。本当はいろんな選択肢があるべきかもしれませんが、選択肢はそれほど多くないのも事実です」 全文は中間貯蔵予定地に妻の墓 原発に故郷追われる苦しみとは
原発事故後の記録一冊に 民間団体有志、事実を共有し教訓次世代へ via 河北新報
東京電力福島第1原発事故後の暮らしの不安を、市民が中心となり払拭(ふっしょく)していった日々の記録集が発刊された。県内外の34団体の活動やデータをまとめた。母親や生産者の貴重な経験を後世につなぎ、教訓を生かしてもらう。 タイトルは「3・11みんなのきろく みやぎのきろく」。A4判、160ページ。食品や土壌の放射性物質を調べる大河原町の「みんなの放射線測定室てとてと」など民間団体の有志6人が編集した。 団体ごとの活動を写真を交えて紹介。子どもや食品の安全を守ろうと情報収集や行政への請願に奔走し、学校の放射線量を測定して除染につなげるなど、市民レベルの動きが広がりをみせたことがうかがえる。 原発事故子ども・被災者支援法で県内が支援対象地域とならず、失望感が広がる中、4団体が県内延べ6910人に甲状腺検査を自主的に実施したことにも触れている。 原発事故では、県の有識者会議が2012年2月に「健康調査の必要性はない」との見解を示した。記録集に携わった大河原町の大石朋絵さん(46)は「国も県も動かない。市民自らが手探りで地域の安全を積み上げていった」と振り返る。 (略) 鴫原さんは「原発事故の対応は長い目で検証されなければならない。市民や行政がどう動いたのか、事実を多くの人たちと共有したい」と話す。 1部800円。連絡先はてとてと0224(86)3135。 全文は原発事故後の記録一冊に 民間団体有志、事実を共有し教訓次世代へ
原発事故と向き合う岩手の人々… 被災地10年目の歩み<岩手県> via FNNプライムオンライン
岩手県内には福島第一原発を撮り続ける写真家や、いまだ出荷制限を余儀なくされている原木シイタケ農家など、東日本大震災の原発事故と向き合う人がいる。 (略) 小原さんは同じく原発事故のあったチェルノブイリも取材している。 写真家 小原一真さん 「甲状腺の病気を抱えたマリアという女の子の撮影をした。事故の4カ月後に生まれて、お腹の中で被ばくした可能性がある。最終的には橋本病という診断がされるが19年かかっている。あと9年経った後に原子力発電所事故を結び付けるイメージ」 30年余りが経つ今も、事故のその後は続いていたという。 写真家 小原一真さん 「現在進行形で抱えている人たちがいるという事実を、見る人も発信する側も認識として持っていく必要がある」 原発事故からまもなく10年。岩手で事故の影響が報じられることは少なくなった。 (略) 原木シイタケ生産者 佐々木久助さん 「問題なのは買っている原木の価格が4倍している。証明できるものは東京電力に賠償請求をする」 気を遣う栽培の管理に賠償請求という、これまで必要の無かった作業が出てきたため、地域の多くの生産者たちは辞めていったという。 Q:生産者は事故前と比べてどれくらい? 原木シイタケ生産者 佐々木久助さん 「1割」 Q:残りの9割は? 原木シイタケ生産者 佐々木久助さん 「(生産を)辞めた。事故の大きさが大きいゆえの不安と、本来やらなくてもいい いろんな労力を多用しないと、だめだから。それでも作らなければという思いに至った人が、今やっている」 県では現在も年に1万件余り、農林水産物の放射性物質濃度を検査している。 (略) 原木シイタケ生産者 佐々木久助さん 「除染した表土の落ち葉や地表5センチ分くらいの土が入っている。これをどうするかが国で決まっていない。簡単には終わらせないという状態。その中で向き合って生産行為をしている」 全文は原発事故と向き合う岩手の人々… 被災地10年目の歩み<岩手県>
原発事故、風化させぬ暦 絵本作家12人がカレンダー via 中日新聞
2011年3月の東京電力福島第一原発事故により今も不安を抱え、影響を受け続けている子どもたちを支援しようと、12人の絵本作家がイラストを寄せた「おうえんカレンダー2021」が販売されている。 (柏崎智子) 原発事故から間もなく10年。企画した「応援カレンダープロジェクト」(大阪府高槻市)の水戸晶子代表理事は「風化しがちだが、このカレンダーを目にすることで、困難を抱えた子どもたちの存在を忘れないでもらえれば」と話している。 カレンダーは、子どもを放射性物質の被ばくから守る措置を怠ったとして、国や福島県の責任を追及する「子ども脱被ばく裁判」を支援する目的で、15年に初めて発売された。 続きは要登録原発事故、風化させぬ暦 絵本作家12人がカレンダー 応援カレンダーサイト