東京電力福島第一原発事故の健康影響を調べる福島国際専門家会議の組織委員会は9日、県に県民健康調査の甲状腺検査の課題解決に向けた提言を行った。9月の会合で出された「甲状腺がんの増加が原発事故に起因するとは考えられない」などとする専門家の評価を踏まえ、国際的知見を参考にした検査の今後の方針の決定、検査を受けた人や家族への説明、ケアの充実などを助言した。
9月26、27の両日に福島市で開かれた第5回会合で出された医療や放射線などの専門家の意見をまとめた。検査の今後の在り方を決めるのに当たって、甲状腺がんの早期発見のメリットや検査が県民に与える不安などさまざまな点を考慮するとともに、他の国のプログラムや専門作業部会による国際的な提言などを参考にするよう助言した。検査による県民の不安の解消に向けて、検査の意義や結果のより丁寧な説明や精神的ケアの実施などを求めた。
第5回会合の議論の要約では福島の検査で発見された甲状腺がんなどの増加は「被ばくの影響でなく、集団検診の効果であると考えられる」との見解を示した。年少の児童にがんの増加が見られず、県内全域で症例の頻度がほぼ同じであることなどを根拠に挙げた。[…]
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