吉永小百合、福島支援で脱原発の詩を読む via nikkansports.com

女優吉永小百合(69)が、東日本大震災と福島第1原発事故の復興支援のため、9年ぶり4枚目の朗読CD「第二楽章 福島への思い」を3月11日にリリースする。1986年(昭61)から広島、長崎原爆詩の朗読CDを出し続け、今作は、福島県民の「脱原発」への思いなどを読み上げている。取材では、経済優先の安倍政権に疑問を呈した。

東日本大震災発生から約4年。福島を思い、吉永が「第二楽章」を作った。「『忘れないで』とメッセージを(世の中に)送り、(被災地に)寄り添って支えたい」という思いからだ。

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終戦間近45年3月生まれの吉永にとって「-福島への思い」は、同じ時代の体験を基に作る初めての朗読CDだ。「(過去3作より)つらい。つらいだけじゃなく福島に戻れるといいという願いもある中、希望が見える詩を選びました」。

吉永は「これだけ地震が多い国で原発はやめてほしい」と脱原発を訴える。昨年末には福島第1原発に近い帰還困難地域にマスクを着けて踏み込んだ。 「4年で何も変わっていない。除染された土もシートをかけられ、あらゆるところに放置され…想像以上のショック」。その上で、安倍政権に厳しい言葉を並べ た。「予算も経済最優先。政治家は福島の復興に対して、どう思っていらっしゃるのか。お金だけ避難している人にあげればいいのか。福島を住めるふるさとに 戻すつもりがあるのか…私には見えない。世界でも大変なことが起こり、目を向けてしまえば忘れてしまう」。

発売前日3月10日には東京・千駄ケ谷の津田ホールで完成記念朗読会を開く。「(朗読は)生きがい。でも、もう『第二楽章』を出すようなことは起きないでほしい。これで終わりにしたい」。印税は全て被災者のために寄付する。【村上幸将】

◆「第二楽章」 吉永が86年から被爆者の体験から生まれた詩の朗読を始め、「(悲劇を)忘れないためにも語り部としておだやかに語り、残す」ス タンスから作った朗読CD。97年「第二楽章」(広島編)99年「-長崎から」を発売。06年には、沖縄戦を描いた野坂昭如氏の小説「ウミガメと少年」を 朗読した「-沖縄から」をリリース。

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