核兵器数千発分のプルトニウムがゴミと化す!? 原発大国ニッポンが「廃炉大国」になる日 via Diamond online

「廃炉」コストは
4日分の電気料金でペイできる

「40年以上経過した原発は“廃炉”にする」。前政権の民主党が掲げた政策だ。廃炉というのは、炉を停止し、設備を解体していくことだよ。なんだか莫大なお金がかかりそうだけれど、いったい費用はどのくらいなんだろう?

原子力研究バックエンド推進センターによれば、「福島の4基は別として、通常の廃炉であれば、1基につきだいたい550億円くらいと見積もられています。ただし、使用済み燃料の再処理費用は入っていません」とのこと。

550億円というと巨額なイメージがあるけれど、東京電力の電気料金などによる収入は、1日あたり約147億円(※)。単純計算だけれど、4日分もあれば廃炉費用がひねり出せる金額だ。

(※)2012年3月期の売上高:5兆3494 億円=電気料収入+地帯間販売電力料+他社販売電力料を365で割った金額

(中略)

じつはすでに減っていた!
日本のエネルギー消費量

石油などのエネルギー資源を持たない日本。エネルギー自給率4%と、海外からのエネルギー輸入に頼っている日本の状況を心配する人は少なくない。

「たしかにあと1、2年は冬と夏、電力不足に悩まされるかもしれない。しかし、原発を稼働させなければ、迫りくるエネルギー危機を乗り越えられない、というのは間違い。これから日本には急激な人口減少が訪れるのですから」

こう話すのは、元・早稲田大学政治経済学術院 客員教授で技術ジャーナリストの西村吉雄さんだ。

「国立社会保障・人口問題研究所によると、2030年の日本の人口は、2004年のピークから10%ほど減少すると推測されている。さらに、2050年には3269万人と26%減り、9515万人に。1億人を割る見込みです」

(略)

なぜ国は原発にこだわるのか
資産の「使用済み核燃料」がゴミに変わる日

西村さんの言うとおり、人口減少時代を迎える日本が将来、エネルギー不足に陥る危険性はそう高くなさそうだ。当面の電力ピークも、火力発電や天然ガスなどを使えば、節電でどうにか乗り切ることは可能だろう。そのことは、3.11後、すでに実証済みだよね。

じゃあ、どうして国はそこまで原発にこだわるんだろう?一般に言われているように、コストが安いエネルギーだから?

(略)

もうひとつ、注目したいのは「使用済み核燃料」が、電力会社の資産として扱われていること。

「使用済み核燃料、つまりウラン燃料の一部は、青森県の六ヶ所村で“中間貯蔵”されています。これを処理すれば、もう一度、原発の燃料として使える可能性のあるウランやプルトニウムを取り出すことができるからです」

(略)

また、原発によって生活を支えている地元の人にとっては、廃炉は大きな痛手だ。

「話し合いを重ねながら時期を見ることが大切。場合によっては廃炉交付金なども必要になるかもしれない。廃炉そのものをビジネス化していく道も考えられます」(西村さん)

動力試験炉「JPDR」や、解体中の新型転換炉「ふげん」を除き、まだまだ廃炉の実績のない日本。海外では解体作業で大活躍しているロボットも、 「日本では試作品が作られるばかりでメンテナンスもされず、お蔵入りの状態。ほとんど活用されていない状況」(原子力研究バックエンド推進センター)だ。

でも、54基を廃炉していく間には、海外にも通用するノウハウや人材を蓄積できるかもしれない。

「原発ゼロの社会になっても、廃炉や使用済み核燃料の処理は続けなければなりません。そのための専門家も必要です。九州大学の吉岡斉教授は、原発 依存から脱けだしていくための知識や技術を『脱原発工学』と名付けている。日本はこれから脱原発工学の専門家を養成し、脱原発産業を起こすべきだというの が私の考えです。

脱原発産業は成長産業です。世界中に脱原発を必要としている国がある。その需要は百年以上にわたって伸び続けるでしょう」

日本を「脱原発産業大国」にしなくては――と西村さんは語る

全文は 核兵器数千発分のプルトニウムがゴミと化す!? 原発大国ニッポンが「廃炉大国」になる日

This entry was posted in *日本語 and tagged , , , , , , , , . Bookmark the permalink.

Leave a Reply