衆院選の争点としてクローズアップされている原発政策。二十八日には日本未来の党を結党した嘉田由紀子滋賀県知事が「二〇二二年ゼロ」を表明。みんなの党は衆院選公約に「二〇年代ゼロ」を盛り込んだ。多くの党が「ゼロ」を掲げるが、実現までの道筋や期間は各党の幅が大きい。本紙にも読者から「いつゼロになるのか」との疑問が多く寄せられている。 (関口克己)
「脱原発と言いながら、ゼロにする時期を言明できなければ政治家と呼べない」 (静岡県湖西市、自由業池月龍さん、68歳)
「原発ゼロ」の時期を明示している党は民主、未来の党、公明、共産、みんなの党、社民、新党日本の七党。それぞれの主張は一見似ているが、各党が思い描くゼロ実現までの期間はさまざまだ。
未来の党の嘉田氏は二十八日、十年後の「二〇二二年」に言及。代表代行の飯田哲也氏は「十年とは『遅くとも』ということだ」とさらなる前倒しは可能との見方を示した。
ゼロへの具体的な道筋は、まだ示されていないが飯田氏は「原発ゼロへのプログラムをしっかり作る」と強調した。
みんなの党も衆院選公約を発表。「二〇二〇年代原発ゼロ」を掲げた。渡辺喜美代表は「成長戦略と原発ゼロを両立するのが、みんなの党の特徴だ」と胸を張った。
共産、社民両党は「即時ゼロ」を掲げる。
両党とも、関西電力大飯原発(福井県おおい町)の再稼働がなくても関電管内は電力不足に陥らなかったことなどを理由に「即時ゼロ」は可能と主張する。「即時ゼロ」はインパクトが強いが、国民が納得できるだけの安定的な電力確保策を示せるかどうかが課題となる。
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