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Daily Archives: 2021/01/03
【ヒロシマの空白】被爆の線引き<中>失われた機会 入市被爆、詳細調査なくvia中国新聞
▽ABCCは影響を否定 原爆投下国の米国が1947年、放射線の人体影響を調べるため占領下の広島に設置した原爆傷害調査委員会(ABCC)。線量に応じたがんの増加などを追跡する大規模調査は後継の放射線影響研究所(放影研、広島市南区)に引き継がれ、世界の放射線防護の基礎となっている。そのABCCで52、53年ごろ、入市被爆の調査が試みられていた。 45年8月6日の原爆投下直後から、救護活動や人捜しのため、多くの人が郊外から市中心部を目指した。原爆さく裂の瞬間に大量の放射線にさらされたわけではないのに「直接被爆者に似た症状が出た、という話が聞こえていた。それなら調べてみようと」。ABCCで調査を担った医師の玉垣秀也さん(98)=佐伯区=は経緯を語る。 米国は戦後間もない広島での放射線の測定結果などを根拠に、公式には残留放射線による健康影響を否定していた。しかし県内の市町村や消防、医師に情報を求めると、300人以上の症例が寄せられた。 ■急性症状を確認 特に症状が目立つ約40人の診察や聞き取りのため、ABCCの四駆で山間部を回った。少なくとも2人が脱毛や血便、紫斑など典型的な急性症状を示し、数カ月後に死亡していた。歯茎からの出血などがあった人もいた。「入市被爆の影響は、あるはずだ」。玉垣さんは確信した。しかし、調査が継続されることはなかった。 なぜなのか。経過の一端が、奈良大の高橋博子教授が米科学アカデミーなどで入手した文書に記録されていた。ABCCに52~58年に在籍し、生物統計部長を務めたウッドベリー博士による報告書である。 それによると、玉垣さんたちの予備調査を受け、53年12月に研究計画「残留放射線の影響」が承認されたものの「他の仕事の圧迫や調査員の不足」で実現しなかった。ウッドベリー氏は、症状が残留放射線によるのか否かを明らかにするには「より詳細な調査が必要」と締めくくっていた。 玉垣さん自身も米原子力委員会の科学者に調査結果を伝えたが、「伝染病では」と退けられたという。高橋教授は別の資料から、ABCCが同時期に広島逓信病院(中区)からも入市被爆者の症例情報を得ていたと指摘。「米側も関心はあったはず。だが残留放射線の影響を否定している立場から、都合が悪いデータだとの意識が働いた可能性もある」と推測する。 ■変わらない見解 ABCCは75年、日米共同運営の放影研に組織替えした。現在も、残留放射線は「被爆者全体のリスクを考える上では、影響を無視できるほど少ない」との見解だ。[…] 医師たちは入市者の診察で何を見たのか。47~54年にABCCに勤め、調査に関わったもう1人の医師、武島晃爾さん(2007年に90歳で死去)の情報を求めて東広島市の病院を訪ねると、現院長の長男裕爾さん(56)が迎えてくれた。 「寝る間を惜しんで研究したそうです」。県庁勤務の弟徹之さんは被爆死し、姉アヤメさん(15年に101歳で死去)は弟を捜しに入市した。「姉のためにも影響を明らかにしたかったのでは」と父の胸中を推し量る。 ウッドベリー博士の報告書には、武島さんが53年4月、当時のABCC所長に宛てた報告が添えられている。「残留放射線のせいだとはもちろん言えないが、いくつかの症状は放射線障害とよく一致する」。組織の公式見解と、ヒロシマの医師としての実感。二つのはざまでの葛藤がにじむ。(明知隼二) 全文
【ヒロシマの空白】被爆の線引き<上>こぼれ落ちた被害 黒い雨、乏しい記録が痛手 via中国新聞
▽カルテも散逸進む 「兄の体に何が起きていたのか」。広島市安佐南区相田の沖村武士さん(75)は、兄の正明さんと和男さんをがんで亡くした。2人とも33歳だった。放射性物質を含む「黒い雨」を体内に取り込んだからではないのか―。1945年8月6日を境に家族を苦しめ、今なお解けない疑念だ。 […] ■援護求める動き 広島市は73年、住民の声を受け、沼田町(現安佐南区)などで黒い雨の実態調査に乗り出した。国は76年、広島管区気象台(現広島地方気象台)の45年の調査から、大雨が降ったとされるエリアだけを援護対象区域に指定した。区域外で黒い雨を浴びた体験者たちは援護拡大を求める運動を本格化させ、手記集なども出版されるようになる。 しかし国は区域外での健康被害を否定した。直接被爆では援護の枠組みが徐々に整い、白血病やがんの増加といった知見が重ねられたが、黒い雨はそもそも公的な記録や研究の「網」からもこぼれ落ちていった。 記録や研究の「空白」は、さかのぼっての被害の検証を難しくしている。国は昨年11月からの新たな検証作業で、広島赤十字・原爆病院(中区)の被爆者カルテを分析するとしたが、保管対象は被爆者健康手帳の所持者分のみ。沖村家でも、当時の原爆病院を受診していたのは直接被爆した父政雄さんだけだった。 広島市と広島県が2008年、約3万7千人に黒い雨の体験や病気の有無などを聞き「心身に影響があった」との結果をまとめた大規模調査についても、国は「合理的根拠とはならない」と退けた。 ■資料発掘を提言 「空白」は埋まらないのか。被爆関連資料などの研究を続ける宇吹暁・元広島女学院大教授(74)は、病状などを客観的に記録した資料として「黒い雨の体験者が受診した病院のカルテを、国が予算を付けて発掘するべきだ」と提言する。 国民学校2年だった原田毅さん(83)=佐伯区八幡=は強いだるさや嘔吐(おうと)、下痢の症状にしばらく苦しんだ。2年ほど通院した地元医院での診断は「十二指腸潰瘍」だったが、今も「雨のせいだったのでは」との思いを抱える。 その医院は既に閉院していたが、近くに住む家族を捜して訪ねた。「原爆はもう2代前のこと。よく分かりません」。一帯で雨を浴びた多くの人がかかった医院だが、医師法が定めるカルテの保存期間は5年。記録は残されていなかった。 「原爆死の証(あかし)はありませんが…」。2人の息子をがんで失った沖村アキコさんが亡くなる2年前に残した手記には、母の悔しさが刻まれる。その「証」の一端が、日々の診療の記録として眠る可能性がまだ残る。しかし後継がおらず閉院する医院も多いのが現状だ。(明知隼二) 全文
Ten years on, Japan’s Fukushima victims worry they’ve been forgotten via The Korea Times
Sumio Konno used to invite neighborhood children and their parents to a barbeque in his garden, overlooking a forest and a pond where water birds would come and go. “We would often get together and grill fish, mushrooms and freshly … Continue reading
Grand Junction keeps its grave for radioactive, Cold War dirt thanks to new coronavirus-aid package via Colorado Sun
Trump’s signature means a disposal site can remain open for another decade, averting millions of dollars in added expenses Nancy Lofholm Cold War-era Grand Junction had a widespread benefit from a uranium mill in its backyard: dirt — fine, sand-like, … Continue reading
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Tagged Grand Jnction, Radiation exposure, radioactive waste, uranium mines
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福島原発の処理水、海洋へ放出「反対」55% 世論調査 via 朝日新聞
東京電力福島第一原発の敷地内にたまる処理済み汚染水の処分について、朝日新聞社の世論調査(郵送)で尋ねたところ、政府が検討する海洋への放出には「賛成」は32%にとどまり、「反対」が55%だった。放出による水産物への風評被害の不安は、8割以上が「感じる」と答えた。 (略) 調査では「汚染された水から大半の放射性物質を取り除き、国の基準値以下に薄めた処理水を海に流す」ことへの賛否を聞いた。内閣支持層でも50%、自民支持層でも47%が海洋放出に反対し、いずれも賛成を上回った。男性は賛成44%、反対46%に割れたが、女性は賛成22%、反対62%と大きく開いた。 海洋放出によって水産物に風評被害が出る不安は「大いに」42%、「ある程度」44%合わせて86%が「感じる」。「感じない」は「あまり」9%、「全く」2%合わせて11%だった。海洋放出には賛成の人でも、風評不安は68%が「感じる」と答えた。 福島第一原発事故に対するこれまでの政府対応への評価も聞いた。「評価しない」が67%で、「評価する」は20%。自民支持層でも56%が「評価しない」と答えた。政府の事故対応を「評価しない」人は、処理水の海洋放出に64%が「反対」と答え、全体より反対が多かった。 調査は昨年11~12月、新型コロナウイルス関連の調査と同時に実施した。全国の有権者から無作為に選んだ3千人が対象で有効回答は2126人、回収率は71%。 (略) 原案では、地元自治体や市民団体から要望が出ているタンクでの保管継続は漏出リスクの増加につながるなどとして退け、海洋放出を選択。放射性物質の濃度を法令の基準より十分に低くした上で敷地内から流すことにした。除去が難しい放射性物質のトリチウムは海水で基準の40分の1以下に薄め、放出総量は事故前の福島第一原発の目標値(年22兆ベクレル)内に収める。 放出後のモニタリングの強化や、生産・流通・消費の各段階での対策を徹底した上でも生じた風評被害には東電に賠償させる。賠償の仕組みは今もあるが、地域や業種などを限定しないことを明確にする。風評対策に特化した新たな会議体も立ち上げる。 海洋放出は、専門家でつくる経産省の小委員会が昨年2月に「確実に実施できる」と有力視する提言を公表したが、風評被害への懸念が強く、全国漁業協同組合連合会は「漁業者、国民の理解を得られない海洋放出は絶対反対」と表明している。政府が昨年実施した意見募集などでも不安の声は多く、「国民への説明が不足している」との指摘は与党内からもあがっている。 全文は福島原発の処理水、海洋へ放出「反対」55% 世論調査