福島第1原発3号機の燃料回収また中断 機器異常や損傷トラブル続出 「20年度完了」に黄信号 via 河北新報

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東電は11月18日、63回目の燃料取り出しに使用するクレーンが停止し、作業を中断したと発表した。燃料を装填(そうてん)する容器をプールから引き上げる途中、突然動かなくなった。
 調査の結果、クレーンのモーター周辺の異常を確認。原因の特定には至らず、関係する周辺部位をそっくり交換することを決めた。取り出し再開のめどは立っておらず、20年度内の完了に影響する可能性があるという。
 プール燃料の搬出は廃炉の主要工程の一つで、原発事故で炉心溶融を起こした1~3号機で特に難度が高い。先行する3号機では19年4月、計画より4年以上遅れてスタート。使用済みと未使用の燃料計566体のうち434体を回収したが、トラブルは尽きない。
 20年9月には取り出し機器のケーブルが近くの部材に接触して損傷し、作業を1カ月余り中断。東電は後に「操作員の監視不足だった」と原因を分析した。
 懸念材料は今後も残る。事故で持ち手が変形した16体と、ラックと燃料の間にがれきが引っ掛かった1体の存在だ。11体は現在行っている試験でつり上げることができたが、残る6体は動かせていない。
 東電は圧縮空気でがれきを吹き飛ばしたり、干渉箇所を切削したりする装置を数種類設計・製造し、性能試験を経て取り出しに活用する。6体の状況はそれぞれ異なり、個別に装置が必要になるという。担当者は「順調に進めば、年度内に完了する見通しは変わらない」との見方を示す。
 現行計画でプール燃料の搬出開始時期は2号機で24~26年度、1号機は27~28年度を予定。既に終えた4号機を含め、31年に1~6号機での搬出を完了させる。

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