※この講演会は、「東電・福島第一原発事故「見える化」プロジェクト」の一環として実施します。
東京電力福島第一原発事故発災後、放射性ヨウ素による甲状腺被ばくは、なぜ測
られなかったのかーー。
当時の「福島県緊急被ばく医療活動マニュアル」に従えば、避難時の検査で13,000
cpm(甲状腺等価線量最大100mSv相当)以上の人たちは、甲状腺被ばく検査を受
け、安定ヨウ素剤の服用など必要な措置を受けるはずでした。しかし、避難時の
混乱の中で、スクリーニングレベルは10万cpmに引き上げられたばかりか、甲状
腺検査は行われず、記録もほとんど残されませんでした。後に甲状腺がんを発症
した方も、当時の記録がなく、自らの被ばく量を医療機関などに説明することが
できませんでした。
福島県県民健康調査において、事故当時18歳以下の人たちのうち200人以上が
甲状腺がんまたは疑いと診断されています。県甲状腺検査評価部会は、甲状腺がん
が多く発生していることについては認めていますが、UNSCEAR(国連科学委員会)
の甲状腺被ばく推定値を用いて、被ばくとの因果関係はないという結論を出そう
としています。これは自治体ごとの推計値であり、個人ベースのものではありま
せん。分析に用いた具体的数値は公表されておらず、外部の専門家が検証できる
状況になっていません。なぜか県民健康調査での基本調査における個人の行動を
もとにした外部被ばく推計値との関係についても分析されていません。
このタイミングで郡山にて以下の講演会を開催します。福島方面の方、ぜひご参
加ください。
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いま、あらためて振り返る 原発事故避難のこと 「ないこと」にされた被ばくのこと
~菅野みずえさん講演会 in 郡山(7/2)
http://www.foejapan.org/energy/fukushima/190702.html
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菅野みずえさんは、浪江町津島地区に居住していました。2011年3月11日の東日本大震災とそれに続く原発事故により3月15日、避難を強いられました。避難の途中、郡山市で体表面汚染検査(スクリーニング)を受けました。無我夢中で意味もわからずに受けた検査ですが、その後、いろいろなことがわかってきました。
いま、あらためて原発事故避難のこと、福島県の当時のマニュアルで定められていたスクリーニング手続きの意味、「ないこと」にされてしまった被ばくのことを振り返ることは、現在の福島第一原発事故の状況や、各地で原発が再稼動されている状況を考えると、とても重要です。
菅野みずえさんを迎えてのお話し会を開催します。また、初期被ばくが隠されてしまった経緯やスクリーニングの意味、現在の甲状腺がんをめぐる状況についてもお話しします。ぜひご参加ください。
日 時:2019年7月2日(月)18:30~20:30
会 場:市民交流プラザ 第一会議室 (郡山駅西口ビックアイ7 F )
参加費 無料
プログラム
原発事故避難を振り返る(菅野みずえ/浪江町津島から兵庫県に避難)
隠された初期被ばくとスクリーニングの意味(満田夏花/FoE Japan)
甲状腺がんをめぐる状況(武藤類子/福島県三春町在住)
主 催:菅野みずえさんのお話しをきく会、 国際環境NGO FoE Japan
問合せ:国際環境NGO FoE Japan TEL: 03-6909-5983
E-mail: info@foejaapn.org
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