モニタリングポストは、福島県に住む人たちが放射線量の変化を知るための大切な装置です。私たちは、原発の廃炉が完了するまで撤去はしないよう求める市民の会です。
今年の3月に出されると言われていた「リアルタイム線量測定システム(モニタリングポスト)の配置の見直しについて」原子力規制委員会は5月29日の定例会合で、当面は存続させると発表しました。
武山松次原子力規制庁監視情報課長からは住民説明会での意見や各自治体から出された意見書等を含めた経緯説明があり
・廃炉作業も終わっていないのに、まだまだ時期尚早である
・目で見て確認できるモニタリングポストは唯一の科学的な判断材料だ
・住民の不安は取り除けていない
・原発事故後の対応から市民には国や規制委員会への不信感がある
などの報告がされました。
そういった状況を鑑みて、規制庁としては当面は存続でという意見が規制委員会に伝えられました。
昨年の3月20日に、撤去ありきの方針発表がされてから、私たち市民の会では3回に渡る申し入れを行い、住民説明会にも可能な限り参加するなど、規制庁のみなさんとは何度も意見交換を行ってきました。今回の発表を受け、「私たちが住民のみなさんから伺った声を規制委員会に届けます」という約束を守ってくださった武山さんはじめ規制庁のみなさんには、市民の会として、心からの感謝をお伝えしたいと思います。
そして、私たちと共に声をあげ、署名活動にもご協力をいただき、具体的な行動を起こしてくださったみなさんおひとりおひとりに
私たちの活動を支えるためにカンパを寄せてくださったみなさんに
丁寧な取材を重ねて、発信し続けてくださったメディアのみなさんに
市民の安全を守るために自治体としての声を国に届けてくださった福島県、各市町村の担当者のみなさん、
自治体首長、議長、議員のみなさんの取り組みに
心からの感謝を申し上げます。
ただし、私たちはこの発表をもろ手を挙げて喜ぶわけにはいかず、発表の中で同時に伝えられた「狭い地域に集中的に配置されているモニタリングポストについては、除染土壌の搬出が終わったら、関係市町村の理解を得ながら撤去を進める」といった内容については、懸念を抱いています。
私たちは土壌搬出作業が終わってからではなく、あくまでも廃炉作業が終わるまでの配置を求めており、狭い地域に集中している箇所については撤去ありきではなく、住民説明会の際もあがっていた「配置を求める声」を取り入れてほしいということも、これまで何度も伝えて参りました。
「線量の高い場所があり、いつも気になっているので、そこにモニタリングポストを設置してほしい」「いつも見ていたモニタリングポストが突然撤去されてしまった」などという住民の意見は、説明会の記録にも残っていると思いますし、自治体判断だけでは不十分なニーズのくみ取りを、より丁寧に、詳細に行っていくという課題は残っているはずです。
また、定例記者会見で更田豊志原子力規制委員長は、「撤去方針や見解はいまだ変わらず」であること、あくまでも、「実行に移すのは見合わせる」のだということ、「財源については維持できるよう求めていく」ということ話していました。そして、「これは技術的なことや科学的な状況という問題ではなく、心の問題なので、短い期間でどうにかなるものではない」ということも。
廃炉作業については、その準備段階の今ですら、信じられないような初歩的なミスが生じるなど、そのたびに私たちはハラハラしながら過ごしているのです。
また、現場で作業するみなさんの労働環境はかなり過酷でありながら、それを訴えることすら困難だという深刻な状況も聞いています。
こういった不安定な実態、長期的な問題を抱えながら、心の問題、受け止め方の問題だとする更田委員長の発言については、何を根拠にその自信が持てるのか・・といった不信感が更に強まったというのも正直な感想です。
今回の発表を受け、私たちの歩みはまだまだ続くな・・・とも思いますが、ひとまず喜び合うのも時には大事なこと。
みなさんのはたらき、声を高めることによる成果の大きさを称えさせていただきたいと思います!
みなさん、ありがとうございました♡
引き続き、邁進いたしましょう~!!