九州電力は十六日、玄海原発4号機(佐賀県玄海町)を再稼働した。東京電力福島第一原発事故後、安全対策を厳格化した新規制基準下での再稼働は、五月の関西電力大飯原発4号機(福井県おおい町)に続き五原発九基目。九電は既に再稼働した川内(せんだい)原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)と玄海3号機を含め、目標としてきた四基体制が実現するが、現行の電気料金は原発の再稼働による効果を織り込んでいるとして維持する方針だ。
玄海4号機の再稼働は、定期検査のため原子炉を停止した二〇一一年十二月以来、約六年半ぶり。
(略)
玄海4号機は五月二十四日にも再稼働する予定だったが、一次冷却水を循環させるポンプで不具合が発生。三月二十三日に再稼働した3号機も、その一週間後に穴が開いた配管から蒸気が漏れるトラブルが起きた。佐賀県の山口祥義(よしのり)知事は再稼働を受け「県民の厳しい目をしっかり受け止め、緊張感を持って取り組んでほしい」とコメント。九電の瓜生(うりう)道明社長は「引き続き国の検査に真摯(しんし)に取り組み、安全確保を最優先に慎重に進める」とした。
(略)
ただ、原発の運転を停止した時期に赤字に転落して財務状況が悪化したことから、その回復を優先し当面は電気料金の値下げはしない方針だ。