東京電力ホールディングス(HD)は14日、福島第2原発(福島県楢葉町、富岡町)1~4号機を廃炉にする方針を表明した。2011年3月の福島第1原発事故後、第2原発もすべて運転を停止している。既に全6基の廃炉が決まった第1原発に続き全4基が廃炉となれば、地元自治体が求めてきた県内の全原発廃炉が実現する。
東電HDの小早川智明社長が同日、福島県庁で内堀雅雄知事と面会し「福島第2原発を全号機、廃炉の方向で検討に入りたい」と述べた。東電が廃炉方針を明言したのは初めて。第1原発の廃炉作業の進捗(しんちょく)や風評対策への取り組みについて東電側が説明した後、内堀知事が「県民の強い思いだ」として、改めて県内の全原発の廃炉を求めたことに応じた。
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第2原発は1982年に1号機が営業運転を開始。87年から全4基体制で稼働してきたが、東日本大震災に伴う津波による被害を受け、全4基が運転を停止した。第1原発のような炉心溶融事故は免れたものの、一時、冷却機能を失うなど損傷が最も大きい1号機については既に廃炉にする方針を固めていた。比較的被害の少ない2~4号機は、原子力規制委員会の審査に合格すれば再稼働する可能性が残っていたが、地元の根強い反対を受け、断念する方向となった。
第1原発の廃炉費用は21. 5兆円に上る見込みだが、16年に基金を設立して費用を積み立てるなどの枠組みが決定した。【和田憲二、柿沼秀行】