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原発事故のあと、福島県は福島県立医科大学に委託して、放射性ヨウ素の影響を受けやすいとされる事故当時18歳以下の子ども、およそ38万人を対象に、超音波でしこりの有無などを調べる甲状腺の検査を実施しています。
県は検査の結果を健康への影響を検証する専門家の委員会に報告し、昨年末までにがんやがんの疑いがあると診断された人が、当時5歳から18歳までの185人いると発表しています。
しかし、これまでで最年少の事故当時4歳の子どもが、この検査のあとにがんと診断され、甲状腺を摘出したことを県立医科大学が把握していたのに、委員会に報告されていないことがNHKの取材でわかりました。
検査は一次検査と二次検査の2段階で行われ、県や県立医科大学は「報告の対象は二次検査までにがんやがんの疑いと診断された患者で、二次検査で継続して推移を見守る『経過観察』とされたあとにがんと診断されたり、別の医療機関に移って、がんが見つかったりした患者たちを網羅的に把握することは困難なため報告していない」と説明しています。
2年前に委員会のメンバーが、こうした仕組みの問題点を指摘した際、県立医科大学は検査後にがんと診断された患者については「別途、報告になる」と説明していましたが、報告されていなかったことになります。
委員会の委員で、福島大学の元副学長の清水修二特任教授は「正確な情報を明らかにして分析するのが使命で、隠しているという疑念を生じさせないためにも、どういう経緯であっても患者が確認されれば、きちんと事実として公開すべきだ」と指摘しています。
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