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おしどりマコ“原発”追及のジャーナリズム精神に改めて感動! 会見500回、東電との闘いを描くドキュメントが via LITERA

おしどりマコ・ケンをご存知だろうか。妻のマコはアコーディオンを、そして夫のケンはパントマイムや針金を使って夫婦漫才をする芸人カップルだが、それ以上に注目されているのが福島第一原発事故に対する取材活動だ。2人は3.11の原発事故以降、取材活動をスタートさせ、東電の会見にも出席、その結果をメディアに発表してきた。

そんなおしどり夫妻だが、これまで原発の取材活動をめぐり、度々バッシングや炎上騒動の標的にされてきた。たとえばネットでは“放射脳の虚報”“芸人のくせにジャーナリスト気取り”“エセ科学の金字塔”などといった批判が踊り、中には“売れない芸人が原発問題をウリにしている売名行為だ!”などという非難まであった。

しかし、実はおしどり夫妻の原発問題へのアプローチはそういった誹謗中傷とは真逆、むしろ、非常に客観的で精緻な調査に基づいており、ジャーナリスティックなものだ。そのことを改めて再確認させられたのが、2月5日深夜放送の『NNNドキュメント’17 お笑い芸人VS原発事故 マコ&ケンの原発取材2000日』(日本テレビ)だった。

そもそもおしどり夫妻が原発取材を始めたきっかけは、3.11の原発事故直後から、政府や東電が繰り返した「直ちに影響はありません」という説明に違和感を感じたことだった。2人には原発に関する知識はなかったというが、しかし妻・マコはかつて医学の世界を目指し、鳥取大学医学部生だった経歴があった。被曝による健康被害について、関心や知識的バックグラウンドもあったのだろう。

加えて医学の道を断念し芸人になった理由も“震災”に関係がある。神戸出身のマコは、学生時代に阪神淡路大震災を経験している。その際、被災地での惨状を目の当たりにし、“医学では人は救えない、お笑いこそが癒しだ”と感じて大学を中退、お笑いの道に入ったという異色の芸人なのだ。

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会見では特定の記者たちだけが東電から指名され、マコにとっては歯がゆく的外れな質問ばかりする。一方でマコが聞きたい疑問をぶつけてくれるが、しかし東電から“滅多に当たらない”記者がいた。しかもその記者が、“たまに”当てられると、別の記者(おそらく大手の御用記者)から「ひとりよがりの質問はやめろよ!」「あなたの質問だけじゃないからさぁ」と質問を遮るようなヤジが飛んでいた

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ある時、原子力設備管理部課長(当時)だった黒田光氏がこうつぶやいたという。

「どうせ女の人にはわからないと思いますけどね」

この言葉を聞いたマコは、悔しさを感じたと同時にこう奮起したのだ。

「なんだ、この野郎、この中で一番(原発に)詳しくなってやる!」

番組で映しだされる2人の自宅は、原発に関する書籍で部屋を埋め尽くされていた。マコは「これまでに15メートル以上の本を読んだ」と語っているが、その中には原子工学や甲状腺ガンなどの専門書もある。会見で質問するため、原発事故の真実を取材するため、原発に関する科学的根拠を求め、猛勉強の日々をマコは過ごしたのだ。番組ではその様子が克明に映し出されるが、その熱意に夫のケンは「どこでもいっつも勉強していて、ちょっと寂しかったなぁ」と語っているほどだ。

2人の現在までの東電会見出席は500回以上にのぼるが、しかしおしどりの取材活動はそれだけではなかった。2人は被災地にも頻繁に足を運び、現地でも精力的に取材している。そこで出会い、親しくなった人々は “生の情報源”ともなった。飯舘村の学校関係者、子どもの被曝を心配する福島の母親たち、そして何人もの原発作業員たち———。

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また当初、非公開でマスコミがさほど関心を寄せていなかった「県民健康調査」検討委員会を取材し、数々の国際会議やシンポジウムにも出席。そこで専門家と知り合いになり、“日本政府は異常な対応をしている”ことを引き出す。

実際、マコが会見で質問し、追及したことで、東電や政府が隠蔽しようとした事実が次々と明るみに出ている。原発敷地内から放出された莫大な量のセシウム、子どもたちの甲状腺被曝についてのデータ、原発作業員の被曝、1、2号機の排気筒亀裂状況、行政による初期被曝測定が行われていないこと、県民の健康調査における内部被曝に関する項目の不十分さ、甲状腺癌について放射線被曝とは無関係との根拠にされたチェルノブイリと福島の“比較グラフ”の欺瞞、国が定めた積算線量の基準“年間20マイクロシーベルト”問題、除染を被曝した住民に押し付けさらにそれをモデルケースにしようとしていること――。

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一方、今回のドキュメントから浮かび上がってくるのは、東電のデタラメさや、情報の隠蔽、そして事故の矮小化だ。たとえばおしどり夫妻が初めて東電の記者会見に行った2011年4月19日、マコはその前日に原発施設内から立ち上った“白煙”について質問している。もちろん放射性物質が含まれているのではとの疑念からだ。しかし東電は「(放射性物質は)完全にゼロというわけではございませんが、含まれていると思います」と数字を提示することなくごまかそうとした。だがマコはその後もこの問題を繰り返し追及、そして3カ月後に出てきたのは驚愕の事実だった。

それは“白煙”によって1〜3号機合わせてセシウム134と137が合わせて毎時10億ベクレル放出、さらに遡って4月4日から9日まででは毎時2900億ベクレルというとてつもない量の放射性物質が出ていた事実だ。

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さらにマコの最大の功績ともいえるのが福島県の子どもたちの健康被害、甲状腺ガンについてだろう。2011年5月末の会見でマコは甲状腺について、原子力安全委員会でこう追求している。

「3月30日に飯舘村の小児甲状腺サーベイ検査ですが、電話で確認したのですが、直接お母様方はご存知ではない。これは人体実験だったのかと怒っているのですが、それぞれお子様の値がいくつだったのか教えて下さい」(マコ)

「現地対策本部では行ったと直後も、全体の結果の発表はされています」(原子力安全委員会審議官・加藤重治氏)

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その後、安全委員会は「数値は書いていない」とその発言を訂正、ようやくデータが示されたのは5カ月後のことだった。つまり委員会による検査データ隠蔽をマコが阻止した形なのだ。それだけでなく、マコは、子供たちの甲状腺ガン発症をスクープしてもいる。そのことは「週刊文春」(文藝春秋)2012年3月1日号に「衝撃スクープ 郡山4歳児と7歳児に「甲状腺がん」の疑い! 福島からの避難民11人に深刻な異常が見つかった」として記事化された。

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明らかになった真実を無視して、原発の危険性を否定するという目的のためにだけ、デマ呼ばわりするネトウヨと原子力村応援団連中の卑劣さには辟易とさせられるが、それはこれまでマスコミが原発事故の“その後”をきちんと報じてこなかったことも大きい。

マスコミは豊洲新市場問題ではあれだけ大騒ぎしているのに、もっと危険な事態が進行している原発事故については、ほとんど報道しようとしない。今回、おしどりマコ・ケンを取り上げたこのドキュメントも、放送されたことは評価に値するが、しかし、放映時間は日曜日の深夜帯。芸人が大企業を追及していくというドキュメントはエンタテインメント性もあるのに、キー局で大量に放映されている社会情報番組では触ろうともしない。マコは番組の最後にこんなメッセージを残している。

「自分で知って調べて考えること。それはいつでもどこでも誰でもできること。大切なのは中立ではなく独立すること。そういう方が増えてくださったらなと思います」

全文はおしどりマコ“原発”追及のジャーナリズム精神に改めて感動! 会見500回、東電との闘いを描くドキュメントが

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