鳥取・放射性廃棄物 仮置き4年 県、国へ法整備要求 環境省「今夏めどに説明」 /鳥取 via 毎日新聞

鳥取市岩倉の山中で2013年1月に見つかった放射性廃棄物が、市道脇に仮置きされたまま4年が過ぎた。わずかに放射線を発するごみは処分の根拠となる法律がないのが現状で、業を煮やした県は同様の問題を抱える全国の自治体とともに国へ法整備を要求しようとしている。環境省は廃棄物処理法の取り扱いを見直し、今夏にも収束を図りたい考えだ。【高嶋将之】

 13年1月、同市岩倉の山中から撤去された不法投棄物の中から、粘着テープのようなものとビニール袋に入った粉状の物など、「ごみ」が見つかった。ラジウム、トリウムを含む天然由来の放射性物質であると推定され、それぞれの放射線量は毎時24マイクロシーベルトと同22マイクロシーベルトだった。線量は低く健康への大きな影響は無いが、市はごみや掘削した周辺の土壌を金属製容器で密封。辺りを立ち入り禁止にした。

 廃棄物処理業者の中には、処理段階で放射能を帯びていないか、独自に検査をする設備がある。特に東日本大震災での福島第1原発事故以降、持ち込まれるごみの安全性を確かめる動きが強まっている。

(略)

ルールがない

 「処分したくてもルールがない」(県水・大気環境課)。県や市の頭を悩ませるのは、根拠となる法の隙間(すきま)だ。

 廃棄物処理法は放射性物質を対象にしていない。原発から出る放射性廃棄物などの処理法を定める原子炉等規制法は放射線量が比較的高いものを想定。岩倉のケースのように低放射線量のものは持ち込める場所を考慮していない。医療機関や大学などでの機器に関して規制する放射線障害防止法でも、ウランやトリウムを含む廃棄物は対象外になるのだ。

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