運転開始から40年以上が経過した福井県にある関西電力高浜原子力発電所1、2号機について、愛知県や福井県などの住民が、原子力規制委員会に運転の延長を認めないよう訴えた裁判が名古屋地方裁判所で始まり、規制委員会側は、訴えを退けるよう求めました。
福井県にある高浜原発1号機と2号機は、昭和49年から50年にかけて運転を始めてから40年以上が経過し、関西電力は去年、運転期間をさらに20年延長する認可を申請しました。
これについて、愛知県や福井県など14の都府県の住民76人は「原発の危険性は福島の事故で明らかで、古い原発の運転は危険だ」などとして、ことし4月、原子力規制委員会に対し運転延長を認めないよう求める訴えを名古屋地方裁判所に起こしました。(略)
原告の弁護団によりますと、原発の運転延長を巡る裁判は全国で初めてで、原子力規制委員会が先月、高浜原発1、2号機について最長20年の運転期間の延長を認めたことから、原告側は今後、訴えの内容を認可の取り消しに変更することにしています。
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福井新聞社が参院選に合わせ県内有権者を対象に行った電話世論調査によると、運転開始から40年を経 過した関西電力高浜原発1、2号機の運転延長の是非に関し、「40年を超えても国が安全を確認すれば運転してよい」とする回答は36・7%にとどまった。 法律で定めた40年制限の原則通り「40年超は動かすべきでない」は32・7%で、「原発は全て動かすべきでない」の18・2%を含めると、運転延長を否 定する割合は5割を超えた。
原子力規制委員会は6月、高浜1、2号機の40年超運転を認可し「例外規定」とされた60年運転を国内で初 めて認めた。だが世論調査の結果をみると、古い原発の安全に対する県民不安は大きいとみられる。2基の再稼働に向けた同意判断に関し、西川知事は「安全確 保を前提とした県民理解が必要不可欠」としているが、県や国には県民への説明責任が求められそうだ。
調査は今月3~5日に行った。「分からない・無回答」としたのは12・4%だった。