提訴準備をしているのは、広島市などに住む被爆者と市民団体「広島市民の生存権を守るために伊方原発再稼働に反対する1万人委員会」のメンバーら。現在約10人が原告に名を連ねる予定で、今後も人数を増やしたいとしている。
裁判では、東京電力福島第1原発事故での甚大な被害を踏まえ、伊方原発が対岸の広島市から約100キロに位置し、もし事故が起きれば広島市内にも放射性物質が拡散し、自主避難が必要になると主張。海外の医学雑誌に掲載された論文のデータなどをもとに、通常運転でも市民は放射能の不安にさらされているなどとして、再稼働の差し止めを求める方針だという。
堀江さんは4歳の時、爆心地から約3キロの己斐上町(現西区)の当時の自宅近くで姉とともに被爆した。原爆の悲惨さを世界に伝えようと、定年退職後に英会話を始め、地元施設で外国人旅行者らに英語で被爆証言を続けている。15年ほど前にはチャリティーコンサートを企画するなど、チェルノブイリ原発事故で被ばくした子どもたちの支援活動にも取り組んできただけに、国内での原発をめぐる動きに「あれだけの大事故を起こしながら、再稼働を行う姿勢は世界の信頼を失う」と危機感を抱く。
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