福島第1原発事故 指定廃棄物処分場 千葉市長「市民の理解得られぬ」 詳細調査を拒否 via毎日新聞

東京電力福島第1原発事故で発生した指定廃棄物の処分場建設を巡り、千葉市の熊谷俊人市長が14日、建設に必要な候補地の詳細調査を拒否すると表明した。市長と会い、「千葉市の1カ所に集約」という従来の方針の堅持する意向を示した井上信治副環境相に伝えた。熊谷市長は「最終回答。(13日に候補地を返上した宮城県の3カ所と)結果的に同じこと」と明言し、県内の処分場建設問題は完全に行き詰まった。
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 熊谷市長の「詳細調査拒否」を、処分場反対運動に取り組む千葉市の市民団体が歓迎する一方、多くの指定廃棄物を抱える自治体からは戸惑いの声が上がった。

 千葉市の市民団体「放射性廃棄物最終処分場に反対するちば市民の会」の木村ゆかり共同代表(54)は「どんな施設も絶対安全ということはない。環境省に白紙撤回を求める考えは変わらない」と力を込めた。調査拒否については「市民の声が市長にも届いたのではないか」と安堵(あんど)した。

 県内最多の1064トンを保管する柏市。廃棄物の仮保管施設の地元町会長、染谷茂さん(66)は「ここでの保管のめどは3年。国には1カ所に集約してほしい」。近くの建築板金業、坂巻重男さん(67)は「千葉市が無理なことは最初から内心では分かっていた。当座は廃棄物を置いたままにするしかないが、エネルギー政策の失敗で起きたことなので、国はいいアイデアを出して解決してほしい」と話した。

 柏市の秋山浩保市長は「国が定めた方針は根幹的な約束事。早期の長期管理施設の確保を願う」、582トンを保管する流山市の井崎義治市長は「特措法にのっとり県内1カ所に集約し、国の責任において処理することを望む」とコメント。945トンある松戸市の本郷谷健次市長は「引き続き国と千葉市の推移を見守っていきたい」とし、森田健作知事も「国は回答内容について千葉市と十分協議することが大切」との談話を発表した。【金森崇之、橋本利昭、橋口正】

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